雑談・世間話・とりとめのない会話の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
駄弁を弄 して
夏目漱石 / 吾輩は猫である
大人が心底何気なく楽しめる会話は今この場で生まれる新鮮な会話の泉ではなく、相手の言葉の意味を聞き取り違えないように注意を払う必要もなく、気の利いた返しが素早くひらめく必要もない、ある程度自分の予測通りに会話の筋道が運ぶ、テレビで聞いたか他の人といったん話題にしたかした手垢のついた古いニュースだ。内容に集中しなくて良いときに初めて私たちは会話のキャッチボールを楽しめる。結局はいつも食べなれている家庭の味を、一番おいしいと感じるように。ありきたりのテーマをテーブルの真ん中に差し出し、なんら目新しくないそれを一人一人が順ぐりにくちばしで突つく。
綿矢 りさ / 仲良くしようか「勝手にふるえてろ (文春文庫)」に収録 amazon
始めも終も無い煙のようなお饒舌(しゃべり)を続けて来た
石坂 洋次郎 / 若い人 amazon
川べりの水禽(みずどり)たちのように、騒がしくお互いに相談する
三島 由紀夫 / 潮騒 amazon
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「声・口調」カテゴリからランダム5
赤児は 殆どひっきりなしに泣き続けた。 眉間 に太い 皺 を作って、小さい唇を震わしながら「ふぎゃあふぎゃあ」と云うように泣く。その声が謙作や直子の胸を刺した。そうして断えず聴いていると、 偶 〻 泣き止んだ時でも、耳の底からその声が 湧いて来た。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
声は裏返り、肩は小刻みに震えていた。寒いかのように、縮こまっていた。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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