葉子の胸を押しひしぐように狭めたもの... | 不安になるの表現・描写・類語｜小説の言葉集

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葉子の胸を押しひしぐように狭（せば）めたものは、底のない物すごい不安だった。

有島武郎 / 或る女（前編）　ページ位置：88%　作品を確認（青空文庫）

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不安になる

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前後の文章を含んだ引用

......いを立てている木村を、うまうま偽っているのだと思うと、葉子はさすがに針で突くような痛みを鋭く深く良心の一隅（ぐう）に感ぜずにはいられなかった。しかしそれよりもその瞬間に葉子の胸を押しひしぐように狭（せば）めたものは、底のない物すごい不安だった。木村とはどうしても連れ添う心はない。その木村に……葉子はおぼれた人が岸べを望むように事務長を思い浮かべた。男というものの女に与える力を今さらに強く感じた。ここに......

単語の意味

胸（むね）

胸・・・１．体の前面で、首と腹との間の部分。また、その内側にある心臓や肺臓、胃などの内臓。
２．（胸に宿るとされている、）心。想い。心中。
３．乳房（ちぶさ）。おっぱい。

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濃霧に塞がれた森の中へ踏み込むような一種の不安

長塚節 / 土　amazon

強く押しつけたり、強くつかんだりしていないと安心できない

吉本ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録　amazon関連カテ安心する不安になる

（漠然とした不安）得体の知れない不安が襲いかかってきて、身動きが取れなくなった。

小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録　amazon

不安に胸が落ち着かない

関連カテ落ち着かない心が乱れる・動揺する不安になる

それを聞くや否や一種いやな感じが起ったのです。ちょうど夢でうなされる時のような重くるしい感じで周囲の空気が急に固形体になって四方から吾が身をしめつけるごとく思われました。

夏目漱石 / 吾輩は猫である関連カテ不安になる胸騒ぎ・嫌な予感

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親戚の家に泊まった晩のような、妙に不安な、家恋しい気分に似たものがつのってきた。

宮本輝 / 泥の河「螢川・泥の河（新潮文庫）」に収録　amazon関連カテ不安になる故郷が恋しい

僕を不安にしたのは彼の自殺したことよりも僕の東京へ帰る度に必ず火の燃えるのを見たことだった。僕は或（あるい）は汽車の中から山を焼いている火を見たり、或は又自動車の中から（その時は妻子とも一しょだった）常磐橋界隈（ときわばしかいわい）の火事を見たりしていた。それは彼の家の焼けない前にもおのずから僕に火事のある予感を与えない訣には行かなかった。「今年は家が火事になるかも知れないぜ」

芥川竜之介 / 歯車

何かこの当のない掻き立てられた不安に結びつける憎みの石、気休めの石、何かは見つかるまいかと焦立った

宮本百合子 / 伸子関連カテ突然恐怖に襲われる心理的に追い詰める（られる）

不安に襲われる

関連カテ怖い・恐怖心配する・気にかける

不安が頭を擡（もた）げて来て、

岡本かの子 / 母子叙情

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胸で恐怖を感じるときの表現・描写・類語（恐怖・不安のカテゴリ）の一覧ランダム５

胸が早鐘のように躍る

漠然とした不安として胸に巣食った

横山秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録　amazon

胸のなかが酢っぱくなって来る。

林芙美子 / 新版　放浪記

心細さが胸の中に重石のように沈んでいく

いやな心持が胸を掠（かす）める

宮本百合子 / 伸子

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汗だくだ。額を伝った汗が眼に染み込んでくる。

雫井脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録　amazon

体を棒のようにコチンコチンにさせる

心にぽっかり穴が開いたような頼りなさ

関連カテ少し怖い心細い

からだを前にまげておどおど何かを恐れ

宮沢賢治 / ひかりの素足関連カテ恐怖を感じたときのリアクション猫背・背中を丸める

彼は大きな鉄砲丸（てっぽうだま）を飲み下（くだ）したごとく、腹の中にいかんともすべからざる塊（かた）まりを抱（いだ）いて、この両三日（りょうさんち）処置に窮している。その切なさの余り、別に分別の出所（でどころ）もないから監督と名のつく先生のところへ出向いたら、どうか助けてくれるだろうと思って、いやな人の家（うち）へ大きな頭を下げにまかり越したのである。

夏目漱石 / 吾輩は猫である関連カテ頼る・頼む・すがる悩み・心配事

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恐怖・不安のレベル

とても怖い

多くの感情は極限に達すると泣くにつながる

恐怖・不安の感覚、精神的な反応

恐怖・不安の表情、リアクション

汗（をかく）

後ずさり・後ろへ下がる

首を縮こめる（すくめる）

身を寄せ合う

恐怖、不安な目・怯えた瞳

（緊張や寒さで）体が強ばる

血の気が引く

（驚きや恐怖で）飛び上がる

眉間のしわを寄せる（眉のひそみ）

腰が抜ける

猫背・背中を丸める

戦慄・恐怖で震える

（恐怖や緊張で）身がすくむ・体が動かない

恐怖を感じたときのリアクション

驚きや恐怖による寒気・ひやり

鳥肌が立つ

恐怖でためらう

視線をそらす・顔を背ける

不安・怯え・恐怖の表情

疑いの表情

意識を失う（気絶・失神）

息苦しい・呼吸ができない

嘔吐・吐き出す

動悸・胸がドキドキ・心拍数が上がる

現実逃避・現実から目を背ける

悲鳴を上げる・悲痛な叫び

悪寒（恐怖、発熱によるさむ気）

萎縮・体を縮める

足が震える

躊躇・ためらう

おそるおそる・おずおず

顔色が悪い・顔が青ざめる

（恐怖や驚きで）声にならない

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