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路は暗くてただ一つ電柱についている燈がそのありかを示しているに過ぎなかった。
梶井基次郎 / ある崖上の感情 ページ位置:52% 作品を確認(青空文庫)
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街灯・外のあかり
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前後の文章を含んだ引用
......し階段をきしらせながら自分の部屋へ帰った。そして硝子ガラス窓をあけて、むっとするようにこもった宵の空気を涼しい夜気と換えた。彼はじっと坐ったまま崖の方を見ていた。崖の路は暗くてただ一つ電柱についている燈がそのありかを示しているに過ぎなかった。そこを眺めながら、彼は今夜カフェで話し合った青年のことを思い出していた。自分が何度誘ってもそこへ行こうとは言わなかったことや、それから自分がしつこく紙と鉛筆で崖路......
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