ガムテープでぐるぐる巻きにされた少年は椅子と同体だった。どんなに暴れようとも椅子から逃れられないその姿は、悲壮感の塊に見えた。
伊坂 幸太郎「陽気なギャングが地球を回す (祥伝社文庫)」に収録 ページ位置:56% 作品を確認(amazon)
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拘束される
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前後の文章を含んだ引用
......ひん曲がってるからよ、後回しだな、こりゃ」 がたごとと音が鳴った。椅子が踊るように音を立てた。縛られた少年が必死に身体を左右に揺らしていた。逃げようとしている。ガムテープでぐるぐる巻きにされた少年は椅子と同体だった。どんなに暴れようとも椅子から逃れられないその姿は、悲壮感の塊に見えた。「ちょっと待って、ちょっと待って」と椅子の少年が懇願した。目もテープで塞がれている。 さあ、さっそく飛び出そう、と久遠は決意するが、そこで慎一のことが気にかかっ......
単語の意味
悲壮(ひそう)
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵(すがた)
悲壮・・・悲しい結果が予想されるのに、勇ましいこと。悲しい状況の中でも頑張っているさま。
姿・形・容・態・躰・體・軆・骵・・・1.身体の形。からだつき。人のからだの格好。衣服をつけた外見のようす。
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
2.身なり。容姿。
3.目に見える、人の形。人の存在。
4.物の、それ自体の形。物一つ一つの全体的な印象。
5.物事のありさまや状態。事の内容を示す様相。
以下の文字は訓読みで、「すがた」と読める。
[形・容・態・躰・軆・體・骵]
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野間 宏「真空地帯(新潮文庫)」に収録 amazon
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