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たいていの人は、試食コーナーでぎごちなくなる。急に重厚になってしまう。 特におじさんは、試食を男女問題と同じように考えてしまうようだ。 「一度手をつけたら、それなりの責任をとらねばなるまい」 と考えてしまう。 だから態度が重厚になる。 「どうぞ」と試食の小皿を突き出されると、本心は食べてみたいのに急にムッとした態度をとり、 「オレをなめるのか」 とばかりに、険しい表情でおばさんを睨みつけるおじさんもいる。 試食は、食べてみておいしかったら購入するという正常な商取引である。 しかし見た目には、なにかこう、食べ物をタダで恵んでもらっているように見えないこともない。 おばさんのほうの態度にも、わずかではあるが、恵んでやっているという態度がほの見える。 そこのところが、おじさんのプライドをいたく傷つけるようだ。 「オレはそこまで落ちぶれてない」 という思いに駆られ、急に口惜しくなり、激しく手を振って居丈高になったりするのである。 楊子の先の、食べ物屑のようなものに、いちいち責任をとったり居丈高になったりする必要はないのだが、おじさんというものは事を重大に考えてしまうのである。
東海林 さだお「タコの丸かじり (文春文庫)」に収録 amazon
私の前には、御飯にごった煮にお新香が運ばれてきた。まことに貧しき山海の珍味である。
林芙美子 / 新版 放浪記
八人の女が、猿のように小さな卓子を囲んで、箸 を動かせる。
林芙美子 / 新版 放浪記
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