(小さな虫が飛び交う)内湾 のように賑やかな溪の空
梶井基次郎 / 冬の蠅 ページ位置:7% 作品を確認(青空文庫)
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騒がしい・ざわめき
虫が飛ぶ・羽音
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前後の文章を含んだ引用
......か。いや、それも昆虫である。微粒子のような羽虫がそんなふうに群がっている。そこへ日が当ったのである。 私は開け放った窓のなかで半裸体の身体を晒 しながら、そうした内湾 のように賑やかな溪の空を眺めている。すると彼らがやって来るのである。彼らのやって来るのは私の部屋の天井からである。日蔭ではよぼよぼとしている彼らは日なたのなかへ下りて来るやよみがえっ......
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騒がしい・ざわめきの表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
(銭湯でたくさんの人たちの)熱い熱いと云う声が吾輩の耳を貫 ぬいて左右へ抜けるように頭の中で乱れ合う。その声には黄なのも、青いのも、赤いのも、黒いのもあるが互に畳 なりかかって一種名状すべからざる音響を浴場内に漲 らす。
夏目漱石 / 吾輩は猫である
花嫁を待ちうけている玄関には鳥の一斉に飛立つようなざわめきが起った。
円地 文子 / 女坂 amazon
破裂しそうな教室を、ぼんやりと騒がしさの外から見つめていた。
村田 沙耶香「しろいろの街の、その骨の体温の」に収録 amazon
雑多なざわめきの音が、閉じ込められた暗い校内に海鳴りのように遠く近く響いていた。
吉本 ばなな / TUGUMI(つぐみ) amazon
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虫が飛ぶ・羽音の表現・描写・類語(昆虫・虫のカテゴリ)の一覧 ランダム5
茶褐色の虫が、スースーという老人の寝息のような羽音をたてて
井上 光晴 / 小説ガダルカナル戦詩集 amazon
日光に撒かれた虻 の光点が忙しく行き交う
梶井基次郎 / 冬の日
飛行機の音ではなかった。耳の後ろ側を飛んでいた虫の羽音だった。蠅よりも小さな虫は、目の前をしばらく旋回して暗い部屋の隅へと見えなくなった。
村上 龍 / 限りなく透明に近いブルー amazon
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「音の響き」カテゴリからランダム5
よく聞こえなかった。さっきの大音量のせいで耳の奥に栓が詰まっているみたいだ。《…略…》言っていることがよくわからない。ゆるせなかった、という言葉がぷかぷか浮いている感じがした。
宮下 奈都「羊と鋼の森 (文春文庫)」に収録 amazon
ガラスのふちを叩くような明るく澄んだ音
阿部昭 / 阿部昭18の短篇(あこがれ) amazon
「昆虫・虫」カテゴリからランダム5
林の中で 喘ぐように 初 蟬 の声が聞え
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
真っ昼間から蚊だの蝿だのがぶんぶん呻って、とても暑くってやり切れやしない
谷崎潤一郎 / 痴人の愛 amazon
有島武郎 / 或る女
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