初夏ならばこの辺、佐久地方の高原から流れて繁殖した月見草の黄色さで夜も明るい。
吉川英治 / 銀河まつり ページ位置:82% 作品を確認(青空文庫)
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夏の夜
花
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前後の文章を含んだ引用
......だ」 河原を辿 って、上へ、五、六町も行くうちに、空はとっぷりと夜になった。わりあいに足元の明るいのは、水面から十尺ばかりぼうと青く見える水明りの加減であろう。 初夏ならばこの辺、佐久地方の高原から流れて繁殖した月見草の黄色さで夜も明るい。今秋草は川洲のどこにも伸びていた。 ピピピ、ピピピ、と河鹿 の啼く闇がなんとなく気をひき締める。――と小舟が待っていた。慎吾は何かささやいてお芳だけをそれにのせて......
単語の意味
辺・畔(ほとり)
初夏(しょか・はつなつ)
月見(つきみ)
辺・畔・・・1.すぐ近くの場所。近辺。そば。あたり。
2.陸地と水面が接しているところ。川や海などの水際。岸。きわ。
2.陸地と水面が接しているところ。川や海などの水際。岸。きわ。
初夏・・・ 夏の初め。陰暦4月の異名。孟夏(もうか)。首夏(しゅか)。
月見・・・1.月の美しさを、見て楽しむこと。とくに、陰暦8月十五夜の中秋の月、9月十三夜の後(のち)の月を観賞すること。観月(かんづき)。
2.かけそばやかけうどんに卵を割って落としたもの。卵黄を月に見立てていう。月見そば。月見うどん。
2.かけそばやかけうどんに卵を割って落としたもの。卵黄を月に見立てていう。月見そば。月見うどん。
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(夏の夕方)日が傾きだしても、暑さが和らぐ気配はない。昼間、太陽を浴びた木々の葉が体温を発散しているからだろうか、開け放した窓から入ってくるのは風ではなく、熱気ばかりだ。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
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花の精気を抜きとられたように、ぐったりと花弁が勢いを失う
有吉 佐和子 / 華岡青洲の妻 amazon
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樹々の葉が砂のように乾いた音をたてて鳴っています。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
何人がかえもあるような榕樹が、乳のように枝を垂らしていた。
林 芙美子 / 浮雲 amazon
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間近で見ると、螢火は数条の波のようにゆるやかに動いていた。震えるように発光したかと思うと、力尽きるように 萎えていく。そのいつ果てるともない点滅の繰り返しが何万何十万と身を寄せ合って、いま切なく 侘しい一塊の生命を形づくっていた。
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
森鴎外 / 阿部一族
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