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早く区切りがほしくて、そうだ雄一に会えばとりあえず、と思う。雄一にくわしく話を聞けば。でも、それがどうしたというのだろう。なにになるのだ。闇の中で冷たい雨がやむ程度のことだ。希望なんかではない。もっと巨大な絶望に流れ込む、小さな暗い流れだ。
吉本 ばなな / 満月 キッチン2「キッチン (角川文庫)」に収録 ページ位置:7% 作品を確認(amazon)
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絶望・希望がない
気持ちに区切りをつける・気を取り直す
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前後の文章を含んだ引用
......はない。きっとその時も自分が悲しい暗い気分の中を生きているだろう、そのことが心からいやだった。胸の内が嵐なのに、淡々と夜道を歩く自分の映像がうっとうしかった。 早く区切りがほしくて、そうだ雄一に会えばとりあえず、と思う。雄一にくわしく話を聞けば。でも、それがどうしたというのだろう。なにになるのだ。闇の中で冷たい雨がやむ程度のことだ。希望なんかではない。もっと巨大な絶望に流れ込む、小さな暗い流れだ。 さんざんな気持ちで田辺家のドアチャイムを押した。いつの間にか十階までエレベーターに乗らずに歩いて階段で上っていたので、はあはあ息をついていた。 雄一がなつかし......
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絶望・希望がないの表現・描写・類語(悲しみのカテゴリ)の一覧 ランダム5
自分のひそかな絶望の形態が、竹矢来のように、自分の周囲に張りめぐらされた気がした。
林 芙美子 / 浮雲 amazon
(死ぬことばかり考えていた日々)その頃は、ただじっと深く自分の内奥を見つめていれば、心臓はやがて自然に停止してしまいそうに思えたものだ。精神を鋭く集中し、一ゕ所にしっかり焦点を結んでいれば、レンズが陽光を集めて紙を発火させるのと同じように、心臓に致命傷を与えられるに違いないと。彼はそうなることを心から期待していた。しかし彼の意に反して、何ゕ月経っても心臓は停まらなかった。それほど簡単に心臓は停まらないものなのだ。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
絶望感が、体中を包み込んできた。
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
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気持ちに区切りをつける・気を取り直すの表現・描写・類語(その他の気分のカテゴリ)の一覧 ランダム5
私はエプロンの紐 を締めなおすと、陽気に唄を唄いながら、海底のような階下の雑沓 の中へ降りて行った。
林芙美子 / 新版 放浪記
謙作はそれを見ているうちに昨夜来自分から擦り抜けて行った気分を完全に取りもどしたような気がした。
直哉, 志賀「暗夜行路 (新潮文庫)」に収録 amazon
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小林多喜二 / 蟹工船
額の内側は、さまざまな物思いが流星のように飛び交い、衝突しては火花を発していた。
堀田 善衛 / 鬼無鬼島 amazon
首をガックリと胸の処まで項垂 れたまま
夢野久作 / ドグラ・マグラ
「その他の気分」カテゴリからランダム5
少量のワインで頬に赤みがさした水島の顔に、一種の幼さのようなものが漂っていて十和子は目が離せない。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
この事態を理解したわけではない。納得したわけでもない。ただ、現象として、自分が置かれた現実を、いま自分が紛れもなく父親の格好をして「総理」と呼ばれていることを、認識したに過ぎない。
池井戸 潤 / 民王 amazon
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