白い 粗朶 のような口ひげ
向田邦子 / ダウト「思い出トランプ(新潮文庫)」に収録 ページ位置:8% 作品を確認(amazon)
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口ひげ
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前後の文章を含んだ引用
......いてやらなくてはいけないのだが、部屋にいるのが耐えがたかった。 理由は臭気である。 それは父の口許から立ち昇っていた。 意識はなくなってもひげは伸びるとみえて、白い粗朶のような口ひげは蝶番がこわれたかと思うほど大きくあけた口のまわりで、艶を失ってこまかく震えている。 匂いはそのあたりからひろがり、部屋いっぱいに立ちこめている。 親の匂いなら......
単語の意味
粗朶(そだ)
粗朶・・・切り取った木の枝。また、その枝を束ねたもの。薪(たきぎ)などに使う。
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糊で貼りつけたばかりのような、口髭が浮いていた。《…略…》安っぽい威厳を撒き散らした、けれど決して深みの感じられない
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー amazon
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