TOP > 感覚表現 > 動き・反応・変化・現象 > 陽炎(かげろう)
文化の燎原 に立ち昇 る晩夏の陽炎
岡本かの子 / 渾沌未分 ページ位置:5% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
晩夏・夏の終わり
陽炎(かげろう)
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......場。灼熱 した塵埃 の空に幾百 筋も赫 く爛 れ込んでいる煙突 の煙 。 小初は腰の左手を上へ挙げて、額に翳している右の腕に添 え、眩 しくないよう眼庇 しを深くして、今更 のように文化の燎原 に立ち昇 る晩夏の陽炎 を見入って、深い溜息 をした。 父の水泳場は父祖の代から隅田川 岸に在った。それが都会の新文化の発展に追除 けられ追除けられして竪川 筋に移り、小名木川 筋に移り、場末の......
単語の意味
燎原(りょうげん)
陽炎(かげろう・ようえん)
晩夏(ばんか)
燎原・・・火が猛烈な勢いで野原を焼くこと。火の燃え広がった野原。
陽炎・・・春や夏の穏やかな日に、透明の炎のような揺らめきが地面からユラユラと立ちのぼる現象。局所的に密度の違う空気が混じることで、光が異常屈折して起こる。
晩夏・・・夏の終わりのころ。陰暦6月の異名。
ここに意味を表示
晩夏・夏の終わりの表現・描写・類語(夏のカテゴリ)の一覧 ランダム5
夏も半ばだ。後何週間かで、フェードアウトしていく。悲しかった。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
梶井基次郎 / 城のある町にて
夏が終りかけようとし、森林に降っていた蟬の声が衰えていた。稲田は色づいていた。
松本 清張 / 真贋の森「松本清張ジャンル別作品集(3) 美術ミステリ (双葉文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
陽炎(かげろう)の表現・描写・類語(動き・反応・変化・現象のカテゴリ)の一覧 ランダム5
地上の花を暖かい夢につつんでとろとろとほほえましめる銀色の陽炎
中 勘助 / 銀の匙 amazon
河原一面の緑の草から陽炎がのぼって、何だか眼がくるめくよう
太宰 治 / 津軽 amazon
大地から立ちのぼる炎に似たかげろう
北 杜夫 / 谿間にて「新潮日本文学 61 北杜夫集―楡家の人びと・他」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「夏」カテゴリからランダム5
夏の初めの白墨の粉のような日の光が、ちらちらちらちらと降る
久米正雄 / 学生時代 amazon
山にさえぎられて日照時間が少ない神去村では、梅雨になると太陽の存在を忘れてしまいそうになる。冬のシベリアかっていうぐらい、インインメツメツとしてくる。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
この切ない、 哀しいばかりに蒼く 瞬いている光の塊
宮本 輝 / 螢川「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
瞬き始めた空に花火が咲いた。一つ、二つ。九時から予定されている本格的な打ち上げの、前座みたいな花火だった。赤一色だけの火の花は、すぐに萎れて消えた。
あさの あつこ「ガールズ・ブルー (文春文庫)」に収録 amazon
「動き・反応・変化・現象」カテゴリからランダム5
船は時々子供がするように、身体を揺 った。
小林多喜二 / 蟹工船
二人の看護婦が這入 って来て、私の両手を左右から、罪人か何ぞのようにシッカリと捉えていた。
夢野久作 / ドグラ・マグラ
カメレオンのように、よく変った。
岩田 豊雄 / 沙羅乙女「獅子文六作品集〈第4巻〉沙羅乙女・信子 (1958年)」に収録 amazon
川面 にたちこめた 虚ろな 金色 の 陽炎
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
「晴れ・曇り」カテゴリからランダム5
風が吹くたび桜の花びらが舞い上がり、博士の横顔を照らす木漏れ日が揺れた。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
コンクリートは熱を吸収してまたそれをぐらぐらに放出して、逃げ水というのか陽炎というのか、よくわからぬぶよんとした動きが前方に見える。
川上 未映子「乳と卵(らん) (文春文庫)」に収録 amazon
ビルの谷間の屋外のテーブルに、隣の高層ビルや樹木やポールなどの 遮蔽物 を縫って、わずかな日射しが恩恵のようにこぼれていた。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
夏 の表現の一覧
動き・反応・変化・現象 の表現の一覧
晴れ・曇り の表現の一覧
風景表現 大カテゴリ