空に感嘆の声を放つ

ぽっと熱くなったほど感情を動かされた。

感動がやってきた

心が動く

すっかり打ちのめされる

（サイパンで聞いた歌に感動）聞いているだけで溶けていきそうだった。それなのに心のどこかが緊張して、連れていかれまいと涙をこらえるような、なつかしい、めくるめく感情の 堰 を、自分の中に感じる。ここで流れていったら、美しいものを知りすぎてしまう怖さで固くなる。 　しかし、聴いているうちに有無を言わさず、暴力的でかつ柔らかいその歌声に解放されて、サイパンの鮮やかな夜の中に自分は流れ出している。 　いつまでもここにいたい、

伸子は鎮まらない感動で、息づまったような低声を出した。

ほのぼのとした感動が心にあることに気づく

感動で起こる身震い

感動でぞっとし、涙を浮べた。

（スタンディングオベーション）聴衆の表情は賛嘆に満ち、拍手には断乎とした支持が感じ取られた。

「不思議です事ねえ」と細君は帰天斎正一（きてんさいしょういち）の手品でも見物しているように感嘆する

女のかすかな溜息だった。近かった。やはり、息をひそめていたのだ。柔らかい吐息だった。

どっはあぁぁぁー、と、私は全身が崩れ落ちるくらいのため息をつく。

大地がわざとらしく拍手をする。ぱち、ぱち、と汗ばんだてのひら同士が弾ける音が、たった二人しかいない空間の中で元気にぶつかり合う。