（三姉妹）上の二人が幼稚園の生徒で、三番目は姉の尻についてさえ行かれないくらい小さい

妖精のように目まぐるしく、生き生きとして、魅力的な娘

丸顔の、目のぱっちりした、眉の切れの好い十八九の娘

何も知らない、神のような少女

重い石の下から僅かに頭を持上げた若草のような娘

和一郎は、恋愛模索時代であった。憧憬、不安、熱情が、時々激しく彼の精神を揺（ゆす）ぶるらしかった。

働き盛りで、エネルギッシュな印象を見るものに与えた。

前途に変化を望む若者の心理

（地蔵眉の赤んぼう）赤んぼうは母の隣りで眠っていた。 　麻の持っていた大振りの日本人形と同じ大きさだった。背丈は同じだが丸みがあって、畳半分ほどの子供布団はこんもりと盛り上っている。 覗き込むと、 茹で上ったような赤むらさき色の顔にうすい肌色のうぶ毛が一面に生え、目の上で 上下 から寄り集り、生えたての 苔 のように 撚れているだけである。

イタリアの古壁画の少女をでも見るように初々しい（娘）

玉のような男子であったと云っている。浅草の観音様（かんのんさま）で西洋人が振り反（かえ）って見たくらい奇麗だった

彼女は女らしく、まるで鳴らないほおずきみたいに円くかしこまって返事をしていた。

女性らしい美点を失った空所に男性の欠点ばかりを詰め込んだような感じだった。

早熟（ませ）な十九の男には、眼に痛いほど、蠱惑（こわく）だった。

二十歳の処女の生身が匂い立つ