障子を明けて頭を出すと、椎の枝が青空を遮 って北を掩 うている。
伊藤左千夫 / 野菊の墓 ページ位置:2% 作品を確認(青空文庫)
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枝
木漏れ日
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前後の文章を含んだ引用
......れ、黒塗的な奥の一間がいつも母の病褥 となって居た。その次の十畳の間の南隅 に、二畳の小座敷がある。僕が居ない時は機織場 で、僕が居る内は僕の読書室にしていた。手摺窓 の障子を明けて頭を出すと、椎の枝が青空を遮 って北を掩 うている。 母が永らくぶらぶらして居たから、市川の親類で僕には縁の従妹 になって居る、民子という女の児が仕事の手伝やら母の看護やらに来て居った。僕が今忘れることが出来ない......
単語の意味
青空(あおぞら)
青空・・・1.青く晴れた空。雲のない青い空。青く澄んで見える空。碧空。蒼天。
2.他の語に付いて「戸外で行う」「屋外」「露天」の意味を表す。
2.他の語に付いて「戸外で行う」「屋外」「露天」の意味を表す。
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枝の表現・描写・類語(植物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
葉を落とした雑木林はまるで海底のサンゴのように道の両脇に湿った枝を広げていた。
村上 春樹 / 1973年のピンボール amazon
木の枝のしなう音が、人間の呼吸みたいに強弱となって繰り返される
富岡 多恵子 / 砂に風 amazon
巨人が大きな鋏(はさみ)で刈りとったように、短く切り揃えられた梢
宮尾 登美子 / 楊梅(やまもも)の熟れる頃 amazon
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木漏れ日の表現・描写・類語(晴れ・曇りのカテゴリ)の一覧 ランダム5
風が吹くたび桜の花びらが舞い上がり、博士の横顔を照らす木漏れ日が揺れた。
小川洋子「博士の愛した数式 (新潮文庫)」に収録 amazon
木の間からチラチラと射 すいっぱいな日光の靨
吉川英治 / 銀河まつり
ビルの谷間の屋外のテーブルに、隣の高層ビルや樹木やポールなどの 遮蔽物 を縫って、わずかな日射しが恩恵のようにこぼれていた。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
畑の真中ほどに桐の樹が二本繁っている。葉が落ちかけて居るけれど、十月の熱を凌 ぐには十分だ。
伊藤左千夫 / 野菊の墓
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「晴れ・曇り」カテゴリからランダム5
プールの天井には細長い天窓がついていて、そこから射しこむ太陽の光が水面に小さく揺れていた
村上春樹 / 回転木馬のデッド・ヒート(プールサイド) amazon
重い布がまくれると、朝の光が線となってこぼれ出した。「希望」というものをもし絵に描くのなら、こんなふうになるのではないかと思われるほど、光は薄暗い部屋をまっすぐにつきぬけていった。
林 真理子 / 京都「最終便に間に合えば (文春文庫)」に収録 amazon
「植物」カテゴリからランダム5
岡本かの子 / 母子叙情
風もない。緑の葉を豊かにつけたヤナギの枝は、地面すれすれまで垂れ下がり、深く考えごとをしているみたいにぴくりとも動かなかった。時折小さな鳥がやってきてその枝に不安定にとまり、すぐにあきらめて飛び立った。枝がかき乱された心のように僅かに揺れ、やがてまた静まった。
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
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