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ストーブを消しているせいで、部屋は冷えびえとしていた。僕は毛布にくるまって、ぼんやりと闇の奥を眺めた。深い井戸の底にうずくまっているような気がした。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 ページ位置:92% 作品を確認(amazon)
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室内の闇・部屋が暗い
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......止んでいたが、あいかわらず厚い雲が空を覆っていた。完全な暗闇だった。僕は長いあいだソファーに沈み込んだまま親指の爪をかんでいた。自分の手さえはっきりと見えない。ストーブを消しているせいで、部屋は冷えびえとしていた。僕は毛布にくるまって、ぼんやりと闇の奥を眺めた。深い井戸の底にうずくまっているような気がした。 時間が流れた。闇の粒子が僕の網膜に不思議な図形を描いた。描かれた図形はしばらくすると音もなく崩れ、別の図形が描き出された。水銀のように静止した空間の中で、闇だ......
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消灯された客室の夜とも昼ともつかない暗がり
平野 啓一郎「マチネの終わりに (文春文庫)」に収録 amazon
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硝子に雨の雫を伝わらしている街燈の灯はまるで暗い人生の隅っこに泣きそべっている二人の影のように見えていた。
田村 俊子 / 木乃伊の口紅 amazon
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南側のガラス戸からさしこんだ陽が、座敷の半分まではいっていた。その位置に床がのべてあった。早春の明かるい陽に、床は清潔に輝いてみえた。
松本 清張「点と線 (新潮文庫)」に収録 amazon
ホール全体が水族館じみて、ガラス張り水槽の明るさがある
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
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