右往左往する若鰡 の背が星明りに閃 く。
岡本かの子 / 渾沌未分 ページ位置:42% 作品を確認(青空文庫)
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夜の海
魚(風景)
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前後の文章を含んだ引用
......。父の様子を見ようと裏口の窓を開けた。雨上りの夜の天地は濃 い墨色 の中にたっぷり水気を溶 して、艶 っぽい涼味 が潤沢 だった。下 げ汐 になった前屈 みの櫓台の周囲にときどき右往左往する若鰡 の背が星明りに閃 く。父はあまり遠くない蘆の中で、カンテラを燃して数珠子釣りをやっている。洲の中の環虫類 を糸にたくさん貫 いて、数珠輪のようにして水に垂らす。蘆の根方に住んでいる小鰻 が......
単語の意味
背(せ)
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夜の海の表現・描写・類語(水面・水中・水辺のカテゴリ)の一覧 ランダム5
海も陸も、黒一色に塗りつぶされて、灯一つみえない。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
海はつるつるに光って、まるで舞台のセットの上の1枚の黒い布が滑らかに揺れているみたいに見えた。微妙に違う色の空との継ぎ目も、いきいきとはためくパッチワークのように見えた。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
夜光虫が美しく光る海
梶井基次郎 / Kの昇天
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魚(風景)の表現・描写・類語(水中の生き物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
飛魚(とびうお)の群れが銀色に光りながら波間をはねる
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
頭と尻尾を弓のようにはねあげた赤い魚
林 房雄 / 青年 (1964年) amazon
濁った水の底を幻影のように赤くするその魚
夏目 漱石 / 道草 amazon
巨大な脱色したお玉杓子のような鮟鱇(あんこう)
北村 薫 / 水に眠る amazon
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(水道栓がこわれて水が飛び散る音)シュルシュルシュルという、布を素速く手繰るような音
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
ドドドウと舷 を打つ重い濤音とともに、ギギギと船全体を軋ませ、ぐうっと右にロールした。
宮本百合子 / 伸子
(ハワイのビーチでウトウトして)汗が日焼けオイルと混ざり合って頬をつたい、耳元からぽとぽとと地面に落ちた。様々な種類の音が波のように寄せたり引いたりした。時々それに混じって自分の心臓の鼓動が聞こえた。僕の心臓もまた地球の巨大な営みの内の一つなんだという気がした。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) amazon
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