ドドドウと舷 を打つ重い濤音とともに、ギギギと船全体を軋ませ、ぐうっと右にロールした。
宮本百合子 / 伸子 ページ位置:28% 作品を確認(青空文庫)
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嵐の中の船
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前後の文章を含んだ引用
......問い合せる無線電信を打った。 丁度その夜、船では舞踏会があった。十時過ぎ、伸子は、サロンの手すりから、下で舞踏する人々を見下していた。船は盛に揺れた。音楽の間にドドドウと舷 を打つ重い濤音とともに、ギギギと船全体を軋ませ、ぐうっと右にロールした。踊り手達は華奢 な靴の踵の上で辷った。ずるずる辷りながら、女達は、覚えず対手の男に捉まった。男は脚を踏張って対手を支え、踊りを忘れてどよめいた。不意なその辷りが余......
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嵐の中の船の表現・描写・類語(水面・水中・水辺のカテゴリ)の一覧 ランダム5
波の背 に乗って四十五度くらいの角度に船首を下に向けながら、帆をいっぱいに開いて、矢よりも早く走って行く一艘 の船!
有島武郎 / 生まれいずる悩み
最初の 嵐 が襲ってきました。五月六日の夜のことです。強風がまず東南から吹きつけてきました。熟練した二十五人の水夫たちも 帆桁 をおろし 前檣 に小帆を揚げましたが、夜半には風波に舟を 委せるだけで、そのうち船の前方に裂け目が入り、浸水がはじまりました。ほとんど一晩の間、我々はこの裂け目に布をつめ、水を外にくみ出す作業を続けねばなりませんでした。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
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「水面・水中・水辺」カテゴリからランダム5
(日の光を受けて)とんろりと油を張ったように静かな入江
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
夏草の茂った中洲
梶井基次郎 / ある心の風景
「乗り物」カテゴリからランダム5
腹の底をゆすぶるように、遠くで蒸汽の音が鳴っている。
林芙美子 / 新版 放浪記
地下鉄から吹く風は、なま温かくて渦を巻いていて、微かに潤滑油のにおいがする。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
手おいの猪のような、(客が)こぼれそうな鈴なりの汽車
小島 信夫 / 汽車の中「アメリカン・スクール (新潮文庫)」に収録 amazon
「天災・荒れた天気」カテゴリからランダム5
「大暴風雨」のために、一たまりもなく操縦の自由をなくしてしまった。
小林多喜二 / 蟹工船
家が時化にあった漁船の帆柱みたいに揺れる
里見 トン / 極楽とんぼ―他一篇 amazon
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