フォーカスの壊れた映写機みたいに、ぼんやりと頭に浮かぶ。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 ページ位置:71% 作品を確認(amazon)
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曖昧・はっきりしない
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前後の文章を含んだ引用
......えば三葉の目は、友だちを見るとほっとする。嬉しくなる。三葉が誰が好きで誰が苦手か、訊かなくても俺には分かる。婆ちゃんを目にすると、俺が知らないはずの思い出までがフォーカスの壊れた映写機みたいに、ぼんやりと頭に浮かぶ。体と記憶と感情は、分かちがたくムスビついている。 ──たきくん。 三葉の声が体の内側から、さっきから聞こえている。 たきくん、瀧くん。 泣き出しそうに切実な声だ......
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春の夜の朦朧たる月影を見るように、そこはかとなき終りを告げた
舟橋 聖一 / 白薊 amazon
遠い昔の記憶のように朧 げ
芥川龍之介 / 袈裟と盛遠
霧でも捉むような、誰の所為(せい)とも判明しない悪戯
長塚 節 / 土 amazon
深海のたった一匹の魚をつろうとしているほどあいまいなもの
円地 文子 / 女坂 amazon
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(やっとありついた食事)どんな思いでメロンパンを食べただろう。一口かじるごとに甘さが口いっぱいに広がり、食べること、生きていることの喜びをかみしめながら、大切に飲み込んだのではないか。絶望の中に、小さな灯りがともったのではないか。
湊 かなえ / 罪深き女「ポイズンドーター・ホーリーマザー (光文社文庫)」に収録 amazon
数えれば切りのない多くの負け目が、皮膚のようにへばりついていた
織田作之助 / 放浪記
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