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どんな残酷な事件を読んでも、わたしにはさらりとしたお伽話のようにしか思えなかった。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 ページ位置:66% 作品を確認(amazon)
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夢のよう・現実味がない
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前後の文章を含んだ引用
......置場の冷蔵庫に閉じ込められ、六十七歳の結婚詐欺師が逮捕され、笑い茸を食べたお婆さんが病院へ運ばれた。わたしの知らないところで、世界は複雑に動いているようだった。どんな残酷な事件を読んでも、わたしにはさらりとしたお伽話のようにしか思えなかった。今大切なのは、彼の左指なのだ。 なかなか新聞の山は減らなかった。そしてどこまでいっても彼の左指は現われなかった。手がインクで黒くなり、目がちかちかしてきた。中毒......
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夢のよう・現実味がないの表現・描写・類語(ものの性質・特徴のカテゴリ)の一覧 ランダム5
一人きりなのに、不思議と怖くなかった。自分はどこか小さなひずみに紛れ込んでいるのだ、とわたしは思った。
小川 洋子 / ドミトリイ「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
この誰も知らぬ東洋の町に今、いるということが、夢のようでもあり、いや夢でないのだと思うと、それは奇蹟だと大声をあげて叫びたくなります。本当に私は澳門にいるのか。自分は夢をみているのではないかと、まだ信じられないくらいです。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
(実感がない)殺されるというその言葉が戸田の胸にうつろに響いてはねかえった。殺すという行為は、まだ実感として心にのぼってはいなかった。
遠藤 周作「海と毒薬 (角川文庫)」に収録 amazon
彼は恐怖が不意に襲ってくるのを待っていたが、ふしぎに恐怖はまだ心の 何処 からも 湧いてこなかった。拷問や死も少しの実感も伴わない。まるで雨の日に陽のあたる遠い丘を思うような気持で彼はこれからの事を考えた。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
眼で見ていながら信ずる事が出来ない
夢野久作 / あやかしの鼓
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