若いときあこがれて、感激してたべた「すきやき」は、いつまでたっても食べたいご馳走のようであった。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 ページ位置：22% 作品を確認（amazon）
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すき焼き
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......年とともに舌が荒れたのか、にぶくなったのか、味が濃くないと駄目だった。なににしてよいか分らなくなって「なにが食べたいの」と聞くと、たいてい「すきやき」と答えた。若いときあこがれて、感激してたべた「すきやき」は、いつまでたっても食べたいご馳走のようであった。 その「すきやき」も、ふつうの味ではもの足らない。甘辛く、まるでつくだ煮のように煮ないと食べなかった。からだによくないのは分っていたけれど、少ししか食べないのだ......
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若いときあこがれて、感激してたべた「すきやき」は、いつまでたっても食べたいご馳走のようであった。
石井 好子「東京の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
鍋肌の熱に焼かれてじりじりと肉の縮む音が聞こえて
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
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