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三階の旅館は日覆をいつの間にか外 した。 遠い物干台の赤い張物板ももう見つからなくなった。 町の屋根からは煙。遠い山からは蜩 。
梶井基次郎 / 城のある町にて ページ位置:24% 作品を確認(青空文庫)
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夕方
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前後の文章を含んだ引用
......それに乗って帰って来る時刻であった。その爆音を聞くと峻の家の近所にいる女の子は我勝ちに「ハリケンハッチのオートバイ」と叫ぶ。「オートバ」と言っている児もある。 三階の旅館は日覆をいつの間にか外 した。 遠い物干台の赤い張物板ももう見つからなくなった。 町の屋根からは煙。遠い山からは蜩 。 これはまた別の日。 夕飯と風呂を済ませて峻 は城へ登った。 薄暮の空に、時どき、数里離れた市で花火をあげるのが見えた。気がつくと綿で包んだような音がか......
単語の意味
蜩・茅蜩・秋蜩・日暮・晩蝉(ひぐらし)
蜩・茅蜩・秋蜩・日暮・晩蝉・・・セミ科の一種。夏から秋にかけて、明け方や夕方に「カナカナ」と鳴く蝉(せみ)。日暮れ時に鳴くため「日を暮れさせる蝉」としたのが名前の由来。カナカナ、カナカナ蝉とも。
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夕方の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
ある生暖 かい日の暮れ
芥川龍之介 / 河童
午後三時四十五分。夕方を意識させる時間だった。
横山 秀夫 / 半落ち amazon
ビルの直線と空の接線が、さっきから比べると少しずつぼやけてきている。空は街に触れている部分から陰り始める。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
夕刻の金に光る町の中
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
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階下の台所から夕方の美味 しそうな匂いと音がしている。
林芙美子 / 新版 放浪記
週末の夜ともなると、まるで夢の中に出てくる街のようにシンと静まり返る。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
夜は 殆 んど明け放れていた。
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
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