前後左右に大きく傾く甲板の上を、傾くままに身を斜めにしてからく重心を取りながら
有島武郎 / 或る女(前編) ページ位置:52% 作品を確認(青空文庫)
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船・ボート
バランスをとる
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前後の文章を含んだ引用
......と、水と水とが激しくぶつかり合う底のほうに、 「おーい、おい、おい、おーい」 というかと思われる声ともつかない一種の奇怪な響きが、舷 をめぐって叫ばれていた。葉子は前後左右に大きく傾く甲板の上を、傾くままに身を斜めにしてからく重心を取りながら、よろけよろけブリッジに近いハッチの物陰までたどりついて、ショールで深々と首から下を巻いて、白ペンキで塗った板囲いに身を寄せかけて立った、たたずんだ所は風下 にな......
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船・ボートの表現・描写・類語(乗り物のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(はしけ)ランチが、本船の周りを水蜘蛛のようにグルグル廻りながらついて来た。
葉山 嘉樹 / 海に生くる人々 amazon
ポンポン船が通り過ぎていき、やがて押し寄せて来た波が、舟の家を大きく揺すった。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
漕いでゆく艫(ろ)の音が、獣の子の乳をもとめる声のよう
中 勘助 / 銀の匙 amazon
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バランスをとるの表現・描写・類語(状態・状況のカテゴリ)の一覧 ランダム5
バランスを取って丸太のうえに立ち、支えの岩にうまく載る角度を探す。サーカスの曲芸師みたいだ。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
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「乗り物」カテゴリからランダム5
大河の心臓の音のように、川蒸気の音が聞えて来る。
岡本 かの子 / やがて五月に (1956年) amazon
マドリッドゆきの飛行機は、ピレネー山脈の上空で嵐に出あい、それこそ死ぬ思いをした。ちょうど食事どきだったが、不意に大きなエア・ポケットにおちたので、コップもお皿もおかずごと天井まで舞い上り、それがおちてきたから、われないコップ、われないお皿ときいていた皿もコップもみじんにくだけて、おかずはとびちり、ケガをする人、気絶をする人も出た。《…略…》マドリッドについたら救急車が迎えにきていた
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 amazon
汽笛が、間を置いてヒュウ、ヒュウと聞えた。
小林多喜二 / 蟹工船
ホームに着く直前、列車はトンネルに入る。 その時、窓は女の鏡となった。《…略…》鏡がすうっと消えた。そのかわり、冬の陽ざしがあたるホームが、久仁子の目の前に拡がってきた。
林 真理子 / 京都「最終便に間に合えば (文春文庫)」に収録 amazon
「状態・状況」カテゴリからランダム5
吹きあげる十二月の風に、商店の赤い旗がヒラヒラしていて心にしみた。
林芙美子 / 新版 放浪記
一つの風の塊が舞いあがり、スカートが翻る。
小川洋子 / 揚羽蝶が壊れる時「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
(腐ったシュークリーム)シュークリームを二つに割った時初めて、それが特別なシュークリームだと分った。卵や砂糖やミルクの甘い匂いはどこにもなくて、熟れてないグレープフルーツのような酸っぱい匂いがした。
小川洋子 / ダイヴィング・プール「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
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