三月ともなると、ウドの出盛りである。早春の山菜らしい特有の芳香があり、淡白で、そこはかとない甘味を感じさせる。日本人だけに理解されるわが国独特の野菜である。野菜としてのウドは、野生種の山ウドを採取して栽培したにすぎないが、いつまでも山菜らしい香りが残っている。新芽どきの山ウドはかれんだが、日がたつにつれて茎はたくましく伸び、まさしくウドの大木のように役に立たないしろものに化してしまう。

山うどの苦味がいい

早春の山菜らしい特有の芳香があり、淡白で、そこはかとない甘味を感じさせる

このウドはしゃきしゃきしている

山ウドは天ぷらに向いる。町で買うウドは総体的に柔らかく、頼りない感じだが、山ウドは風雪に耐えて生き延びた感じで頼もしい。

タンポポ、ツクシは早春の味として珍重されている。

苦みのなかに、特有の芳香がある

味はさっぱりしているものの、噛み進むうちに山菜のほろ苦さが口中に広がる

干したものや塩漬けにしたもの、まして都会で食べる山菜では、ほろ苦さの本質は味わえない。

ふきのしゃりしゃりした歯触りと甘いような独特の香りの青漬