言い解きがたい暗愁――それは若い人が恋人を思う時に、その恋が幸福であるにもかかわらず、胸の奥に感ぜられるような――が不思議に君を涙ぐましくした。
有島武郎 / 生まれいずる悩み ページ位置:86% 作品を確認(青空文庫)
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悲しい・悲しみ
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前後の文章を含んだ引用
......、雲とともに大空の半分を領していた山も、見る見る寒い色に堅くあせて行った。そして靄 とも言うべき薄い膜 が君と自然との間を隔てはじめた。 君は思わずため息をついた。言い解きがたい暗愁――それは若い人が恋人を思う時に、その恋が幸福であるにもかかわらず、胸の奥に感ぜられるような――が不思議に君を涙ぐましくした。君は鼻をすすりながら、ばたんと音を立ててスケッチ帳を閉じて、鉛筆といっしょにそれをふところに納めた。凍 てた手はふところの中の温 みをなつかしく感じた。弁当は食う気......
単語の意味
涙ぐましい(なみだぐましい)
胸(むね)
涙ぐましい・・・1.涙が出そうなくらい、可愛そうだったり感動的なこと。
2.自然と泣きそうになること。
2.自然と泣きそうになること。
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絶叫したくなるほどの悲しみがわたしを襲う。
小池真理子「愛するということ (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
雨漏りをみつけた時のような侘しさ
林 芙美子 / めし amazon
その時の悲しみと恐ろしさは何と表現していいかわかりませんね。心に釘か何かを打ち込まれるみたいな感じでした。
百田尚樹「永遠の0」に収録 amazon
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ただ魂のぬけた生きものを見るような憐れみの感情が胸をしめつける。
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
そのとたん激情に近い、哀切が胸にこみ上げてきた。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
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