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口中一杯のスポンジ状のスイカの果肉が、口を閉じるにつれてシャワシャワとつぶれ、甘く冷たいジュースになり、口の底辺部にたまって舌がその中にひたされる。そいつを果肉と共にノドの奥のほうにゴクンと送りこんで飲みこむ。  このとき人間の口中は、圧搾式のジューサーとなっている。  スプーンを使うならば、ケーキ風に切らずに半切りにし、〝道路掘削工事風〟で食べることをお薦めしたい。  ガス管や水道管の工事、あの方式である。楽しさという点ではこれが一番といえる。  まん中を掘り進み、いやいやこっち側も少し掘削せねば、と思い、あれこれ手順を考え、工事現場を任された主任のような心境になる。底のほうから水が滲み出してくるところなども、道路工事に似ている。ときどき底のほうにたまった水を汲みあげなければ、と、主任の心境はいや増す。
東海林 さだお「タコの丸かじり」に収録 ページ位置:22% 作品を確認(amazon)
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前後の文章を含んだ引用
......顔が埋まったような感じになり、唇も歯もアゴも、鼻の頭もスイカにめりこむ。 一瞬、窒息するのではないかと思うが、なーに大丈夫、スイカで窒息して死んだ人はいない。 口中一杯のスポンジ状のスイカの果肉が、口を閉じるにつれてシャワシャワとつぶれ、甘く冷たいジュースになり、口の底辺部にたまって舌がその中にひたされる。そいつを果肉と共にノドの奥のほうにゴクンと送りこんで飲みこむ。 このとき人間の口中は、圧搾式のジューサーとなっている。 スプーンを使うならば、ケーキ風に切らずに半切りにし、〝道路掘削工事風〟で食べることをお薦めしたい。 ガス管や水道管の工事、あの方式である。楽しさという点ではこれが一番といえる。 まん中を掘り進み、いやいやこっち側も少し掘削せねば、と思い、あれこれ手順を考え、工事現場を任された主任のような心境になる。底のほうから水が滲み出してくるところなども、道路工事に似ている。ときどき底のほうにたまった水を汲みあげなければ、と、主任の心境はいや増す。 いずれの食べ方でも、食べ終わったときは口のまわりはべろべろになっているものである。 だから、最初に大型タオルを用意しておく。小型でも中型でもいけない。こいつで......
単語の意味
口中(こうちゅう・くちじゅう)
圧搾(あっさく)
口中・・・口の中。口の中全体。
圧搾・・・強い力で押し付けてしぼること。気体や固体を押し縮めて、詰まった状態にすること。
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