（危険を察する）胸の警戒信号が半鐘よりも高く鳴り響く

真樹子には、この瞬間初江の思っていることが鏡に映すようによくわかった。

本能的に気づく

不思議な力を電気のように感じて

ぴたり適中した自分の直感に、血が逆流する思い

その時、生まれて初めて経験する、ある不思議な瞬間が訪れた。無残に踏み荒らされた砂漠に、一陣の風が吹き抜け、目の前に一本の真っさらな道が現われた。道の先には光がともり、私を導いていた。その中へ踏み込み、身体を浸してみないではいられない気持にさせる光だった。今自分は、閃きという名の祝福を受けているのだと分かった。

門倉は眼を光らせた。彼は瞬間に俺の企みを読みとったらしい。

実は、御社の法務とか経営企画の人間を紹介してくれないかと思ってさ」 「法務か経営企画？」 　頭のいい大町は、そこになにかの意味を見出したようだったが、面倒なのかそれ以上はきかなかった。

考えが稲妻のように胸に浮かぶ

米山という人物は、確かに 臭う。いいや、すこぶる疑わしい。こいつだ、と刑事の勘がしきりと囁きかけてもいた。