何もない空間のような夢

夢は目覚めるとともに、ぼんやりと薄暮の中に溶ける山の景色のように曖昧になる

華やかな彩りの夢

夢というものは、人間の全身が眠っている間に、その体内の或る一部分の細胞の霊能が、何かの刺戟で眼を覚まして活躍している。その眼覚めている細胞自身の意識状態が、脳髄に反映して、記憶に残っているものを吾々は「夢」と名付けているのである。

子供らしい変な夢

実に健やかないびきを立てていて、顔の表情には一点の曇りもない

いまに机に 俯うつぶ して眠ってしまう

睦子が目をあけた。その目はすぐ私を見たが、まだガラス玉のようで、それからゆっくり光が満たされて来て、睦子は微笑した。

死んだようにぐったりと横たわる

身体はシーツの上に湿った 藁 束 みたいに投げ出されている。