TOP > 人物表現 > 心の交流・意思の疎通 > 頼る・頼む・すがる
彼は大きな鉄砲丸 を飲み下 したごとく、腹の中にいかんともすべからざる塊 まりを抱 いて、この両三日 処置に窮している。その切なさの余り、別に分別の出所 もないから監督と名のつく先生のところへ出向いたら、どうか助けてくれるだろうと思って、いやな人の家 へ大きな頭を下げにまかり越したのである。
※備考※ 心配すぎて助けを乞う
夏目漱石 / 吾輩は猫である ページ位置:84% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
悩み・心配事
頼る・頼む・すがる
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......って充満せるがごとく、まさに心配をもってはちきれんとしている。時々その団子っ鼻がぴくぴく動くのは心配が顔面神経に伝 って、反射作用のごとく無意識に活動するのである。彼は大きな鉄砲丸 を飲み下 したごとく、腹の中にいかんともすべからざる塊 まりを抱 いて、この両三日 処置に窮している。その切なさの余り、別に分別の出所 もないから監督と名のつく先生のところへ出向いたら、どうか助けてくれるだろうと思って、いやな人の家 へ大きな頭を下げにまかり越したのである。彼は平生学校で主人にからかったり、同級生を煽動 して、主人を困らしたりした事はまるで忘れている。いかにからかおうとも困らせようとも監督と名のつく以上は心配してくれ......
単語の意味
窮する(きゅうする)
分別(ぶんべつ・ふんべつ)
腹(はら)
窮する・・・追い詰められて困る。困りきる。お金や物が足りなくて、生活に困る。
分別・・・1.(ぶんべつと読んで)種類ごとに分けること。区別すること。また、その区分。
2.(ふんべつと読んで)物事の是非や善悪を区別や区分すること。道理を判断してきちんと区切ること。わきまえること。また、そのような能力。
2.(ふんべつと読んで)物事の是非や善悪を区別や区分すること。道理を判断してきちんと区切ること。わきまえること。また、そのような能力。
腹・・・1.ヒトなど動物の、胴の下半部の前面と考えられる側。背(せ)の反対側の部分。また、その内側にある内蔵。
2.(腹の内面にあるものとして)心。考え。感情。気持ち。また、度量や度胸、気力もいう。
3.物の中央の膨らんだ部分。「指の腹」「銚子の腹」など。
4.背に対して、物の内側の部分。
2.(腹の内面にあるものとして)心。考え。感情。気持ち。また、度量や度胸、気力もいう。
3.物の中央の膨らんだ部分。「指の腹」「銚子の腹」など。
4.背に対して、物の内側の部分。
ここに意味を表示
悩み・心配事の表現・描写・類語(恐怖・不安のカテゴリ)の一覧 ランダム5
魂を締め木にかけてその油でもしぼりあげるようなもだえ
有島武郎 / 或る女
このカテゴリを全部見る
頼る・頼む・すがるの表現・描写・類語(心の交流・意思の疎通のカテゴリ)の一覧 ランダム5
まるで教会で神父さんに出会った信者みたいな顔で、白羽さんに縋るように立ち上がった。
村田 沙耶香「コンビニ人間」に収録 amazon
訴えかけるように切実な声を出す。
雫井 脩介「火の粉 (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「心の交流・意思の疎通」カテゴリからランダム5
自分の心の中に少しでも相手の心がはいってくるようなことがあるならば、外のアスファルトの上の風景と同じようにあつくるしいといったような、女の侵入に対する防止装置を自分の心に施して女と相対する
野間 宏 / 残像「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
隠すという行為の持つ避けがたい後ろめたさ
高樹 のぶ子 / その細き道 (文春文庫 amazon
「恐怖・不安」カテゴリからランダム5
鳩尾(みぞおち) の奥に鈍痛を感じた。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
豚のように自分の吐いた汚物の中に顔を埋めて
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
富豪の邸宅の留守中に上り込んでいるような不安で空虚なものが心にかげって来る。
林 芙美子 / 浮雲 amazon
同じカテゴリの表現一覧
心の交流・意思の疎通 の表現の一覧
恐怖・不安 の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ