TOP > 感覚表現 > 雰囲気・空気 > 綺麗な、澄んだ空気
(澄んだ空気の中で)二十分ほど茫然 としているうちに何だか水晶で造った御殿のなかに、たった一人住んでるような気になった。しかもその一人住んでる僕のからだが――いやからだばかりじゃない、心も魂もことごとく寒天か何かで製造されたごとく、不思議に透 き徹 ってしまって、自分が水晶の御殿の中にいるのだか、自分の腹の中に水晶の御殿があるのだか、わからなくなって来た
夏目漱石 / 吾輩は猫である ページ位置:92% 作品を確認(青空文庫)
この表現が分類されたカテゴリ
綺麗な、澄んだ空気
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......が次第次第に腹の底へ沁 み渡る。こう云う場合に人の心を乱すものはただ怖 いと云う感じばかりだから、この感じさえ引き抜くと、余るところは皎々冽々 たる空霊の気だけになる。二十分ほど茫然 としているうちに何だか水晶で造った御殿のなかに、たった一人住んでるような気になった。しかもその一人住んでる僕のからだが――いやからだばかりじゃない、心も魂もことごとく寒天か何かで製造されたごとく、不思議に透 き徹 ってしまって、自分が水晶の御殿の中にいるのだか、自分の腹の中に水晶の御殿があるのだか、わからなくなって来た……」 「飛んだ事になって来たね」と迷亭君が真面目にからかうあとに付いて、独仙君が「面白い境界 だ」と少しく感心したようすに見えた。 「もしこの状態が長くつづいた......
単語の意味
寒天(かんてん)
腹(はら)
水晶・水精(すいしょう)
寒天・・・寒々とした冬の空。
腹・・・1.ヒトなど動物の、胴の下半部の前面と考えられる側。背(せ)の反対側の部分。また、その内側にある内蔵。
2.(腹の内面にあるものとして)心。考え。感情。気持ち。また、度量や度胸、気力もいう。
3.物の中央の膨らんだ部分。「指の腹」「銚子の腹」など。
4.背に対して、物の内側の部分。
2.(腹の内面にあるものとして)心。考え。感情。気持ち。また、度量や度胸、気力もいう。
3.物の中央の膨らんだ部分。「指の腹」「銚子の腹」など。
4.背に対して、物の内側の部分。
水晶・水精・・・クオーツ(Quartz)の和名。大きく結晶した石英(せきえい[=二酸化ケイ素が結晶してできた鉱物])のこと。普通は無色透明で、不純物が混ざると色が付く。硬度7。4月の誕生石。
ここに意味を表示
綺麗な、澄んだ空気の表現・描写・類語(雰囲気・空気のカテゴリ)の一覧 ランダム5
夏目漱石 / 吾輩は猫である
プラットフォームに下り立つと、僕は思い切り体を伸ばして深呼吸をした。肺が縮み上がりそうなほど空気は澄んでいた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
澄んだ空気が冷たい水のように張りつめる
黒井 千次 / 群棲 amazon
このカテゴリを全部見る
「雰囲気・空気」カテゴリからランダム5
相撲の稽古が、いっさいの感傷を拒否するすがすがしさに満ちている
飯田 栄彦 / 昔、そこに森があった amazon
何となく弟に押されて、全員のムードが彼よりに傾いていった。
吉本 ばなな「アムリタ〈上〉 (新潮文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
雰囲気・空気 の表現の一覧
感覚表現 大カテゴリ