TOP > 人物表現 > 動作・仕草・クセ > 撫でる・さする・こする
母はいつも片方の頰をかきむしった。そこに何かが宿り、それを長く伸ばした爪でほじくり出そうとでもするかのように。
中村文則 / 教団X ページ位置:41% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
撫でる・さする・こする
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
......お父さんは」という言い方をした。そのことで、小さかった峰野は、自分が責められてるような気持ちになるのだった。母はしゃべりながら、自分の頰をかいた。母の癖だった。母はいつも片方の頰をかきむしった。そこに何かが宿り、それを長く伸ばした爪でほじくり出そうとでもするかのように。 でもそれは、母だけが悪いのではなかった。母の両親は、母に冷たかった。母の実家に行った時、峰野は敏感に感じ取っていた。母は昔から虐げられ孤独なのだ。だから、自分......
ここに意味を表示
撫でる・さする・こするの表現・描写・類語(動作・仕草・クセのカテゴリ)の一覧 ランダム5
発火しそうなほど激しく、手ぬぐいで体をこすっている。
三浦 しをん「神去なあなあ日常 (徳間文庫)」に収録 amazon
(闇の中で)盲人のようにそのまわりを 掌 でさすった
遠藤周作「沈黙(新潮文庫)」に収録 amazon
このカテゴリを全部見る
「動作・仕草・クセ」カテゴリからランダム5
十一月のリスのようにこまめに台所の棚を探しまわり、袋の底にバター・クッキーが四枚残っていたのをみつけた。
村上春樹 / パン屋再襲撃「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
ライフジャケットをまとった男たちが、水に落ちるアリのように、ばらばらと水面に落下する
西木 正明 / 標的 amazon
中庭はよく手入れされた芝生が敷きつめられ、わたしたちはその上をごろごろ転がって遊んだ。芝の尖った葉先の緑と、太陽の光のきらめきが順番に視界を覆った。そしてだんだん緑ときらめきが目の奥の方で混じり合い、澄んだ藍色になっていく。すると空や風や地面がわたしの身体からすうっと遠のいて、宙を揺らめいているような一瞬が訪れる。
小川 洋子「妊娠カレンダー (文春文庫)」に収録 amazon
同じカテゴリの表現一覧
動作・仕草・クセ の表現の一覧
人物表現 大カテゴリ