諦めが悪い

軟体動物みたいにへんに柔軟で仲々へたばらず

どれほど焼いても刈っても根絶することのできないこのガンのようにしぶとい植物

蠅のように執拗

握り締めた掌に汗を感じながら、日下は食い下がった。

もたれかかった途端にあっさり崩れ落ちてしまいそうな雨ざらしの納屋

みとれるほどの美しさ。

朝晩はすっかり冷え込むようになったこの時期に、胸元や腕や足を露出したデザインのワンピースとハイヒールという格好で、アカシア商店街を闊歩する夏美さんは、さながら、田舎町を映画のロケのために訪れた女優のように見えました。

娘の顔を覗（のぞ）くと、あんまり鮮かで屈托がなさ過ぎる。私の反感も直ぐに消えてしまう。

これほど美しく、かつはかなく、風の吹くままに舞い散り、ほんの一瞬、香を放ち、永久に消え去っていくこの花が「大和魂」の典型なのか。日本人の魂はこのようにもろく、滅びやすいものなのだろうか。