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遠くの樹に風が黒く渡る。と、やがて眼近い夾竹桃 は深い夜のなかで揺れはじめる
梶井基次郎 / ある心の風景 ページ位置:4% 作品を確認(青空文庫)
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草木のざわめき
夜
風
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前後の文章を含んだ引用
......力な生活をしているように思われた。喬の部屋はそんな通りの、卓子 で言うなら主人役の位置に窓を開いていた。 時どき柱時計の振子の音が戸の隙間から洩れてきこえて来た。遠くの樹に風が黒く渡る。と、やがて眼近い夾竹桃 は深い夜のなかで揺れはじめるのであった。喬 はただ凝視 っている。――暗 のなかに仄 白く浮かんだ家の額 は、そうした彼の視野のなかで、消えてゆき現われて来、喬は心の裡に定かならぬ想念のまた過ぎてゆ......
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草木のざわめきの表現・描写・類語(音の響きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
樹々の葉のすれあう音
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
赤城おろしが吹き渡って、寺の裏の森が潮のように鳴る
田山 花袋 / 田舎教師 amazon
どんぐりの木の葉が、かわいたような全く重味のない響きをたてて動く
野間宏 / 崩解感覚「暗い絵・顔の中の赤い月 (講談社文芸文庫)」に収録 amazon
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夜の表現・描写・類語(時間帯(朝・昼・夜)のカテゴリ)の一覧 ランダム5
(闇に比べて)いくらか黒さを失った夜があった。 しかし、それとても黒の色調をなにほどか薄くしただけのことで、やはり一様に薄暗い、 黯澹 たる闇が続いていた。ただ一つの光とて見えない。
阿刀田 高 / 捩れた夜「ナポレオン狂 (講談社文庫)」に収録 amazon
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風の表現・描写・類語(風のカテゴリ)の一覧 ランダム5
風が椰子の木を揺らして遠くへ去っていくとき、きれいに線を描いているのが見えるようだ。
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
(手入れされた古い家の前で)家がゆったり呼吸するように、一筋の風が通りすぎていった。
小川洋子 / 冷めない紅茶「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
なまぬるい草いきれのこもった風が吹く。
林芙美子 / 新版 放浪記
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「音の響き」カテゴリからランダム5
ドラム缶を金属バットでジャスト・ミートしたような大きな音
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(上) amazon
「植物」カテゴリからランダム5
錯雑した枝と枝とは網の目になり壁になり軒になって
佐藤 春夫 / 田園の憂鬱 amazon
それ(百日紅の枝)はまったくすべすべして、赤ん坊の肌のようだった。
福永 武彦 / 草の花 amazon
「時間帯(朝・昼・夜)」カテゴリからランダム5
忙しく歩く人たちの姿が見える。一日の始まり。世界が目を覚まし、世の中の歯車が回転し始める時間。
村田 沙耶香「コンビニ人間」に収録 amazon
「風」カテゴリからランダム5
あるかないかの風が花房をかすかに揺する
永井 路子 / 朱なる十字架 amazon
胸の中をふきぬけるような風の音
梅崎 春生 / 桜島 amazon
風の音が笑い声のようにたえまなく鳴る
高橋 和巳 / 我が心は石にあらず amazon
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