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視線のまっすぐ先の夜空に唐突に、巨大な彗星があった。長くたなびく尾はエメラルドグリーンに輝いていて、その先端は月よりも明るかった。目を凝らすと、細かな塵のような粒がその周囲にきらきらと舞っていた。
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 ページ位置:69% 作品を確認(amazon)
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流れ星・彗星
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......なあなあやっぱ失恋かなあ」とか、「なんよその発想は昭和のオヤジ?」とか、私の背中でこそこそと言い合っていた。 一車線の細い道を登りきり、カーブミラーを曲がると、視線のまっすぐ先の夜空に唐突に、巨大な彗星があった。長くたなびく尾はエメラルドグリーンに輝いていて、その先端は月よりも明るかった。目を凝らすと、細かな塵のような粒がその周囲にきらきらと舞っていた。私たちは喋ることも忘れ、ばかみたいに口を開いて、長い時間それに見とれた。 そしていつのまにか、彗星の先端が二つに分かれていることに、私は気づいた。大きくて明るい......
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夜空(よぞら)
視線(しせん)
彗星(すいせい)
夜空・・・夜の空。
視線・・・目と、目が見ようとしているモノとを結ぶ線。目が見ている方向。見つめている方向。
彗星・・・太陽系の小天体。太陽のまわりを細長い楕円を描いて軌道。太陽に近づくと反対側にガスや塵を噴出し、明るく輝く頭部と尾を観測できる。ほうきの形に見えことからほうき星とも。凶兆と考えられた。
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新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
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