病室に入ったのは僕だけだった。白い壁の部屋がいっそう真っ白に見えた。白紙に戻す、の「白紙」にふさわしい白さだった。
伊坂 幸太郎 / オーデュボンの祈り ページ位置:23% 作品を確認(amazon)
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白色(白い)
病室
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前後の文章を含んだ引用
......。「それも、後悔しているよ。逃げなければ良かった、って」 祖母が死んだ時の病院を思い出す。駆けつけた時には、もう死んでいた。静香は病院の駐車場で待っていたので、病室に入ったのは僕だけだった。白い壁の部屋がいっそう真っ白に見えた。白紙に戻す、の「白紙」にふさわしい白さだった。祖母と最後に会話ができなかったことが、残念だった。「お祖母様は最期にこんなことを言ったのですよ」とその言葉を伝えてきた看護婦は、どことなく不思議そうな顔をしてい......
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飾りけも何もない板張りの病室
有島武郎 / 或る女
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月の光のように、青いきもの
松谷 みよ子 / 三つの色「松谷みよ子の本 (第4巻) 童話・詩」に収録 amazon
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(チョコレート嚢胞の手術)指先でつまんで、口の中で溶かしたくなるような言葉だ。 しかし、メスの刃の下からあふれ出てきた液体は、言葉のかわいらしさとは正反対に、吐き捨てたくなるような不快な色をしている。血液が腐敗した色だ。ビニールの手袋の上にとろりと広がって、今までに溜め込んできた体温や体臭を一遍に放り出している。その傍で卵巣はすっかり萎びている。
小川洋子 / 完璧な病室「完璧な病室 (中公文庫)」に収録 amazon
行き届きすぎた衛生管理が《…略…》街全体を病院のような感じに変えていた。
三島 由紀夫 / 金閣寺 amazon
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