部屋中に体臭が漂っていた。いや、それは体臭とさえ言えなかった。それはあるポイントを越えてからは体臭であることを放棄して時間と調和し、光と調和していた。

裸の身体から立ちのぼる獣のようなにおい。

硫黄臭い、どこか屍を思い出させる祖父の臭い

干からびたパルメザンチーズのような体臭

ニはスープ系の体臭、飛行機で出される油の浮いたコンソメスープと同じにおいがする。つねにだしが効いている。前世がおでんの具だったのかもしれない。お腹が空いているときにはいいかもしれないけれど、少なくとも抱きしめられたいとは思えない。

失礼ですが、ぷんぷん臭います

体の匂いがつーんと鼻をついてくる

刺激臭が鼻をつく除光液で爪を拭く

生温かい呼気

むっとするような若い汗の臭いが鼻につく