青葉の色も目にしみる初夏のころ
石井 好子「巴里の空の下オムレツのにおいは流れる (河出文庫)」に収録 ページ位置:27% 作品を確認(amazon)
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晩春・初夏
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前後の文章を含んだ引用
......ありありと目に浮かべることができる。◆ 外は木枯 内はフウフウ夕方など肌寒くなると、私は台所の棚にしまっておいた大きな土なべをひっぱりだす。そしてこの土なべは、青葉の色も目にしみる初夏のころまで、わが家の台所と食卓の上を往復して活躍する。*ちりなべ、水たきなど、さっぱりして日本人の口にはあうけれど、若い人達にはちょっとものたらないのではないだろうか......
単語の意味
青葉(あおば)
初夏(しょか・はつなつ)
青葉・・・青々とした草木の葉。とくに、初夏のころの青々とした木の葉。新緑。
初夏・・・ 夏の初め。陰暦4月の異名。孟夏(もうか)。首夏(しゅか)。
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初夏の匂いが、街じゅうにあふれていた。 穏やかで力があって、苦しいほどの草の匂いがする。
吉本 ばなな / とかげ「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
それは恋によろしい若葉の六月のある夕方 だった。
有島武郎 / 或る女
初夏の陽射しが眩しい六月最初の月曜日
池井戸潤「下町ロケット (小学館文庫)」に収録 amazon
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予感をたっぷり溶かしこんだ春の空気
新海 誠「小説 君の名は。 (角川文庫)」に収録 amazon
梶井基次郎 / 雪後
(桜とバラの比較)ヨーロッパ人はバラの花を賞賛するが、私たち日本人はそれを共有する感覚は持ち合わせていない。バラには桜花の持つ簡素な純真さに欠けている。それだけではない、バラはその甘美さの陰にトゲを隠し、 執拗 に生命にしがみつく。まるで死を怖れるがごとく、散り果てるよりも、枝についたまま朽ちることを好むかのようにである。しかもバラは華美な色彩と濃厚な香を漂わせる。いずれをとっても桜花にはない特性である。 私たちの愛する桜花は、その美しい装いの陰に、トゲや毒を隠し持ってはいない。自然のなすがままいつでもその生命を捨てる覚悟がある。その色はけっして派手さを誇らず、その淡い匂いは人を飽きさせない。
新渡戸稲造 訳:岬龍一郎「いま、拠って立つべき“日本の精神” 武士道 (PHP文庫)」に収録 amazon
「夏」カテゴリからランダム5
庇(ひさし)の間から見える無数の星までも蒸されるように暑い
山崎 豊子 / 暖簾 amazon
風鈴が折り折り思い出したようにかすかに鳴る。
森鴎外 / 阿部一族
すべての表面も根も腐らせてしまうほど陰湿な梅雨
遠藤 周作 / 沈黙 amazon
真夏へ真夏へと潮のように光の波を加えてゆく空の色
中山 義秀 / 醜の花「厚物咲・碑―他六篇 (1956年) (角川文庫)」に収録 amazon
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