雨あがりのせいか、ぱあっと石油色に道が光っている。

雲が少し切れて、五月の 陽 が家々の屋根に落ちてきた。

雨あがりで下の赤土が軟（やわらか）くなっている

小屋を出ると草原も、さっき身をかくした林も金色の光にかがやき、樹々の葉が砂のように乾いた音をたてて鳴っています。

朝早く雨が上がった

少しばかり零（こぼ）れてくる程度の日の光までが、黄燐をともしているようで、かび臭かった。

空は濃青に澄（す）み澱んで、小鳥は陽の光を水飴のように翼（つばさ）や背中に粘（ねば）らしている朝があった。

目を覚ますと、朝の光がカーテンのすき間から輝きすぎるほどにこぼれていた。

閉め切ってあった部屋には、午後の穏やかな斜光とともに、むっとするいきれがこもっている。

（庭のデッキ・チェアで目を閉じて思い出そうとする）猫の姿を頭に思い浮かべようとしたが、実際に僕が思い浮かべることができるのは、逆光を浴びた写真のようなひどく漠然とした猫の像にすぎなかった。強い太陽の光が瞼をとおり抜けて僕の暗闇を不安定に拡散させていたし、それに僕はどれだけ努力しても猫の姿を正確に思いだすことができなかったのだ。