ようやく故郷の地を踏んだ。 あんまり長いことはなれていたせいで、懐かしいという感慨もわかなかった。
中島 京子「小さいおうち (文春文庫)」に収録 ページ位置:72% 作品を確認(amazon)
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生まれ育った土地
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前後の文章を含んだ引用
......。 中途半端に時間があったので、駅の近くの映画館で、『加藤隼戦闘隊』を観た。 腹をすかせて乗り込んだ列車は、真夜中に福島に着き、奥羽本線に乗り換えて、翌日の朝、ようやく故郷の地を踏んだ。 あんまり長いことはなれていたせいで、懐かしいという感慨もわかなかった。 あのときのわたしの服装は、縞のもんぺに、こげ茶の外套で、その外套が都会者染みていけすかないと、妹に言われたのも、思い出した。 3 十年も会わなかったから......
単語の意味
感慨(かんがい)
感慨・・・強く感じること。心に沁みること。しみじみと感じる気持ち。
「概」は、心を揺さぶる思いで一杯になることをあらわす字。
「概」は、心を揺さぶる思いで一杯になることをあらわす字。
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僕は18年間、そこで実に多くを学んだ。街は僕の心にしっかりと根を下ろし、想い出の殆んどはそこに結びついている。
村上春樹「風の歌を聴け (講談社文庫)」に収録 amazon
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華やかな色彩が童話風に輝く菓子屋
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
陽炎(かげろう)のなかにトタン屋根もぎらぎらと漣(さざなみ)のようにさわいでいる。
和田伝 / 沃土「和田伝全集 第2巻」に収録 amazon
十ほどあるその窓のあるものは明るくあるものは暗く閉 ざされている。
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