TOP > 暮らしの表現 > 人生 > 冴えない、ぱっとしない人生
振り返ってみると、それは人生ですらないような気がする。少し起伏はあった。ごそごそと登ったり降りたりはした。でもそれだけだった。殆んど何もしていない。何も生み出していない。誰かを愛したことはあったし、誰かに愛されたこともあった。でも何も残っていない。奇妙に平坦で、風景が平板だ。まるでビデオ・ゲームの中を歩いているみたいな気がする。パックマンみたいだ。ぱくぱくぱくと迷路の中の点線を食べていく。無目的に。そしていつか確実に死ぬ。
村上 春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下) 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
冴えない、ぱっとしない人生
しおりに登録する
前後の文章を含んだ引用
no data
単語の意味
起伏(きふく)
風景(ふうけい)
起伏・・・1.高くなったり低くなったりしていること。高低。
2.栄えたり衰えたり、色々変化すること。
2.栄えたり衰えたり、色々変化すること。
風景・・・自然の景色。目の前に広がる眺め。その場の情景。
ここに意味を表示
冴えない、ぱっとしない人生の表現・描写・類語(人生のカテゴリ)の一覧 ランダム5
繭(まゆ)の中で眠っている蛹(さなぎ)の生活のような半生
石坂 洋次郎 / 丘は花ざかり amazon
このカテゴリを全部見る
「人生」カテゴリからランダム5
今までの人生、うまく行ってると言える? なにひとついいことがなかったのは、おまえが間違ってるからだよ。
吉本 ばなな「N・P (角川文庫)」に収録 amazon
写真の尾畑小枝子に間違いなかった。ただし、面差しに年月の経過が 否応 なく表れていた。目の下に 皺 が刻まれ、 瞼 が少し 瘦 せて目が大きくなったように見える。肩までの長さの髪は黒々としているが、染めているのかもしれない。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
どうにもならない――宿命的なものが、折角、志した米沢でも、尾 いて廻った。
吉川英治 / 無宿人国記
同じカテゴリの表現一覧
人生 の表現の一覧
暮らしの表現 大カテゴリ