薄雲が好きだ。キャミの裾についた上等のレースに似ていると思う。

山頂に霧のような薄雲がゆるく流れる

杉山の上から青空の透いて見えるほど淡い雲が絶えず湧いて来るのを見たとき、不知不識（しらずしらず）そのなかへ吸い込まれて行った。湧き出て来る雲は見る見る日に輝いた巨大な姿を空のなかへ拡げるのであった。 　それは一方からの尽きない生成とともにゆっくり旋回していた。また一方では捲きあがって行った縁（へり）が絶えず青空のなかへ消え込むのだった。こうした雲の変化ほど見る人の心に言い知れぬ深い感情を喚（よ）び起こすものはない。

薄い煙のような雲

水色の空に筆で白色を散らばしたかのような雲

アンパンみたいな雲がフワフワ浮く

（宇宙から地球を見た感想）地平線の向こうに未来が見えた

日の丸のように大きな月

空にはいくつか小さな雲が浮かんでいたが、それらはまるで中世の銅版画の背景に描きこまれた雲のように鮮明で簡潔なかたちをとっていた。目につく何もかもが見事にくっきりとしているせいで、僕自身の肉体がいかにも茫洋としてとりとめのない存在であるように感じられた。

気味の悪い雲