(沈黙が怖くて、)話のネタのために毎日を生きているみたいだった。とにかく〝しーん〟が怖くて、ボートに浸水してくる冷たい沈黙の水を、つまらない日常の報告で埋めるのに死に物狂いだった。指のここ怪我した、昨日見たテレビおもしろかった、朝に金魚死んだ。一日あったことを全部話しても足りず、沈黙の水はまたじわじわと染みてくる。
綿矢 りさ / 蹴りたい背中 作品を確認(amazon)
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黙る・沈黙
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黙る・沈黙の表現・描写・類語(声・口調のカテゴリ)の一覧 ランダム5
無口だった。レコードはもう終っていたので、部屋にはひさしに落ちる雨の音と三人が肉を嚙む音の他には何もなかった。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 amazon
男は再び重苦しい沈黙の中に沈み込んだ。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
部屋は大量虐殺の直後を思わせる重い沈黙に覆われた。
村上 春樹「羊をめぐる冒険」に収録 amazon
石のような不動の沈黙
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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天井にヒビが入るようなカン高い声
高橋 三千綱 / 涙 amazon
深い海の底の貝みたいに、どこまでも頑なに沈黙を守っておられる。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
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