この料理店の内部の落ちつきはどうだろう。私のような年代のものにいわせるなら、昭和初期の、人の心と生活が、まだ充分に潤いと余裕をたたえていたころの雰囲気がただよっている。
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 ページ位置:55% 作品を確認(amazon)
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老舗
店内の雰囲気
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......は、現代において、まことに深いものを蔵しているといわなくてはなるまい。 端正な風貌の、いかにも物しずかな石田さんも六十をこえて、長男がコック長である。 それに、この料理店の内部の落ちつきはどうだろう。私のような年代のものにいわせるなら、昭和初期の、人の心と生活が、まだ充分に潤いと余裕をたたえていたころの雰囲気がただよっている。 石田さんは、「材料の値上り分を売値にのせることが、どうしてもできない」 切なげに洩らした。 この良心が固定客をつかんでいればこそ、営業をつづけていられるのだろ......
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老舗の表現・描写・類語(店・施設のカテゴリ)の一覧 ランダム5
むかしの東京の汁粉屋というものの匂いが、そのまま残っている
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
むかしと少しも変らぬ商売をしている店
池波 正太郎「むかしの味 (新潮文庫)」に収録 amazon
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店内の雰囲気の表現・描写・類語(室内のようすのカテゴリ)の一覧 ランダム5
店の隅に置かれたゴムの木が目についた。それはいちばん目立たない場所に押しやられ、見捨てられた孤児のようにそこで身をすくませていた。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 2 amazon
(ラーメン店の)カウンターの向こう側では、まるで生まれたての命のように、様々な具材がほかほかと輝いている。
朝井 リョウ「武道館 (文春文庫)」に収録 amazon
ホオル全体がどこか水族館じみて、ガラス張り水槽の明るさがある
武田 泰淳 / 風媒花 amazon
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ひんやりした空気が歓楽街の臭気を濁らせたり消したりしている
宮本輝 / 道頓堀川 amazon
無人の滑り台は氷河期に死滅した大型動物の骨格のように見える
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 3 amazon
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