足元にカラスが舞い降りて、如月を何か言いたげな目つきで見上げていた。

空が暗くなるほどのカラスの大群

カラスの声が勇ましい

屋根にとまったカラスたちが連絡をとり合う鋭い声が聞こえる。

大きなカラスが出し抜けにベランダにやってきて、手すりにとまり、よく通る声で何度か短く鳴いた。青豆とカラスはしばらくのあいだ、ガラス窓越しにお互いの様子を観察していた。カラスは顔の横についた大きなきらきらした目を動かしながら、部屋の中の青豆の動きをうかがっていた。それからカラスはやってきたときと同じように、唐突に羽を広げてどこかに飛び立っていった。見るべきものは見たという感じで。《…略…》そのカラスがリトル・ピープルのまわしものでないことを祈った。

七面鳥は首を上げて気むずかしい老人のような目で僕を睨みつけ

雀の群れが不揃いに電線にとまり、音符を書き換えるみたいにその位置を絶えず変化させていた。

（ヒバリの）啼声（なきごえ）ばかり花弁のように降ってきた。

（何万という小さな鳥どもが）いくかたまりもいくかたまりも鉄砲丸（てっぽうだま）のように川の向（む）こうの方へ飛（と）んで行く

ツチョツチョツ、チュル……行々子（よしきり）が囀（さえず）る。