吹き口がびしょびしょに濡れた笛 | 笛・管楽器・吹奏楽器の表現・描写・類語｜小説の言葉集

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吹き口がびしょびしょに濡れた笛

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笛・管楽器・吹奏楽器

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笛・管楽器・吹奏楽器の表現・描写・類語（音の響きのカテゴリ）の一覧ランダム５

陽気な管絃楽の音が、おさえがたい幸福の吐息のように、休みなく溢れて来るのであった。

芥川龍之介 / 舞踏会　amazon

（レコードに録音されたクラリネットの演奏）ほら、よく聴いて。まず最初に、小さな子供が発するような、はっとする長い叫び声があるの。驚きだか、喜びのほとばしりだか、幸福の訴えだか。それが愉しい吐息になって、美しい水路をくねりながら進んでいって、どこか端正な人知れない場所に、さらりと吸い込まれていくの。

村上春樹 / 1Q84 BOOK 2　amazon関連カテ笛・管楽器・吹奏楽器演奏する・楽器を鳴らす

ラッパのさきは、朝顔のように口がひらいていた。

庄野英二 / 星の牧場　amazon

（笛の音）お年にしては寥落（りょうらく）なお姿、その音（ね）が笛にあらわれる。笛ほど嘘をつかぬものはないでな」「心に邪気があって、吹けないことが屡〻（しばしば）ございます」「そうとも。殺気をふくめば殺気ばみ、情気があれば情韻（じょういん）をもつ。とても、おそろしいやつはこの笛でござる。殊にお手前の音（ね）いろを聞き澄ますに、非常な執着と怨みをおもちなされている。

吉川英治 / 八寒道中関連カテ笛・管楽器・吹奏楽器演奏する・楽器を鳴らす

（笛の音は）ひとつに静止し得ない人生の行旅と、人間の感情のように、うらむが如く、哭（な）くがごとく、また、笑うが如く――。

吉川英治 / 野槌の百

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河岸の菩提樹（ぼだいじゅ）の夕闇を細（こま）かく刻（きざ）んだ葉は河上から風が来ると、飛び立つ遠い群鳥のように白い葉裏を見せて、ずっと河下まで風の筋通りにざわめきを見せて行く。

岡本かの子 / 巴里祭

氷を割るようなひどい雨の音が雨戸を叩いた。

林芙美子 / 牡蠣「清貧の書・牡蠣 (1953年) (新潮文庫〈第536〉)」に収録　amazon関連カテ雨の音窓ガラスの雨

森中の木という木を鳴らして風が吹く

小石くらいの大きさの雨粒が音を立てて路面を叩く

ほかの鼓の、あのポンポンという明るい音とはまるで違った、陰気な、余韻の無い……ポ……ポ……ポ……という音を立てる。

夢野久作 / あやかしの鼓

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