東山の暗い緑の上に、霜に焦げた天鵞絨 のやうな肩を、丸々と出してゐるのは、大方、比叡 の山であらう。
芥川龍之介 / 芋粥 ページ位置:43% 作品を確認(青空文庫)
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山
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前後の文章を含んだ引用
......を、ゆする程の風もない。川に臨んだ背の低い柳は、葉のない枝に飴 の如く滑かな日の光りをうけて、梢 にゐる鶺鴒 の尾を動かすのさへ、鮮かに、それと、影を街道に落してゐる。東山の暗い緑の上に、霜に焦げた天鵞絨 のやうな肩を、丸々と出してゐるのは、大方、比叡 の山であらう。二人はその中に鞍 の螺鈿 を、まばゆく日にきらめかせながら鞭をも加へず悠々と、粟田口を指して行くのである。 「どこでござるかな、手前をつれて行つて、やらうと仰せられ......
単語の意味
ビロード(びろーど)
ビロード・・・滑らかな手触りのパイル織物。深い光沢感が特徴で高級感がある。ベルベットとも言う。天鵞絨とも書く。
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山の表現・描写・類語(地上・陸地のカテゴリ)の一覧 ランダム5
どこまでも撫 で肩 の柔かい線
岡本かの子 / 東海道五十三次
小松の茂った山が盆を伏せたように煙る
水上 勉 / 雁の寺 amazon
まわりの円味がかった平凡な地形に対して天柱山と吐月峰は突兀 として秀でている。
岡本かの子 / 東海道五十三次
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「地上・陸地」カテゴリからランダム5
街を歩くと堯は自分が敏感な水準器になってしまったのを感じた。彼はだんだん呼吸が切迫して来る自分に気がつく。そして振り返って見るとその道は彼が知らなかったほどの傾斜をしているのだった。
梶井基次郎 / 冬の日
電車はゆっくり走り出した。知っているネオンが次々に走り去っていった。
吉本 ばなな / 新婚さん「とかげ (新潮文庫)」に収録 amazon
店飾りを群集の人影の明滅の間からぼんやり眺めて
岡本かの子 / 巴里祭
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