眼は赤銅 のような顔の中で、一つ朦朧 と濁って来た。そうして、王の顔は渋りながら眠りに落ちる犬のように傾き始める
横光利一 / 日輪 ページ位置:73% 作品を確認(青空文庫)
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酒に酔う・酔っ払う
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前後の文章を含んだ引用
......杓の酒を傍の酒盃に満して彼の方へ差し出した。そうして、彼女は左右の二人の酒盃の干される度に、にこやかな微笑を配りながらその柄杓を廻していった。間もなく、反絵の片眼は赤銅 のような顔の中で、一つ朦朧 と濁って来た。そうして、王の顔は渋りながら眠りに落ちる犬のように傾き始めると、やがて彼は卑弥呼の膝の上へ首を垂れた。卑弥呼は今はただ反絵の眠入 るのを待っていた。反絵は行器 の中から鹿の肉塊を攫 み出すと、それを両手で振り廻して唄 を歌った。......
単語の意味
朦朧(もうろう)
犬・狗(いぬ)
赤銅(しゃくどう)
朦朧・・・意識や視界、意味などがハッキリしないさま。ボーっとしていて、クリアでないさま。おぼろげなさま。ぼんやり。
犬・狗・・・1.イヌ科の哺乳動物。大昔から人間に飼育されてきた家畜。従順で賢く、家やヒツジの番をしたり、犯人捜査や目や耳の不自由な人の導いたりもできる。
2.(あちこちとかぎ回るところから)他人の秘密などをかぎ回って報告する者。スパイ。まわしもの。間者(かんじゃ)。
2.(あちこちとかぎ回るところから)他人の秘密などをかぎ回って報告する者。スパイ。まわしもの。間者(かんじゃ)。
赤銅・・・1.銅にわずかな金と銀を加えた合金。日本古来より仏像や装飾品など工芸品に利用。
2.赤銅色の略。黒みを帯びた紫色。
2.赤銅色の略。黒みを帯びた紫色。
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外に出ると酔いが真夜中の貨物列車みたいに急激に僕の体の中を通り抜けていった。まったくひどい気分だった。『オズの魔法使い』のブリキ男のように体がきしんだ。
村上春樹 / ファミリー・アフェア「パン屋再襲撃 (文春文庫)」に収録 amazon
酒と血とを、交ぜたような、どろんとした眼
吉川英治 / 無宿人国記
晋平は酔うときまって上半身裸になった。
宮本 輝 / 泥の河「螢川・泥の河(新潮文庫)」に収録 amazon
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遠い昔の記憶のように朧 げ
芥川龍之介 / 袈裟と盛遠
靴の底と地面との間にどうしても生じてしまう何センチかの空白を踏んで、ふわふわと歩く。水島の手が肩に置かれていなければ、このまま舞い上がってしまいそうだ。
沼田 まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち (幻冬舎文庫)」に収録 amazon
肉塊を鼻先で見るように切迫した息苦しさ
伊藤 整 / 青春 (1960年) amazon
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