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たまらないほどの虚脱感が彼を襲った。辛うじて身をひとつに寄せ合っていた様々な意識の流れが、突然それぞれの方向に歩み始めたようでもある。何処まで行けばそれらの流れがまたひとつに巡り合えるものか鼠(人名)にはわからない。いずれは茫漠とした海に流れこむしかない暗い川の流れだ。二度と巡り合うこともないのかもしれない。
村上 春樹「1973年のピンボール (講談社文庫)」に収録 ページ位置:94% 作品を確認(amazon)
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むなしい・虚無感
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......っと眺めていた。指先には火の点いていない煙草がはさまれ、その先端は空中に幾つかの複雑な、そして意味のないもようを描きつづけている。 ジェイに話してしまった後で、たまらないほどの虚脱感が彼を襲った。辛うじて身をひとつに寄せ合っていた様々な意識の流れが、突然それぞれの方向に歩み始めたようでもある。何処まで行けばそれらの流れがまたひとつに巡り合えるものか鼠にはわからない。いずれは茫漠とした海に流れこむしかない暗い川の流れだ。二度と巡り合うこともないのかもしれない。二十五年という歳月はただそのためだけに存在したようにも思える。何故だ? と鼠は自分に問いかけてみる。わからない。良い質問だが答がない。良い質問にはいつも答がない......
単語の意味
茫漠(ぼうぼく)
堪らない(たまらない)
鼠(ねずみ)
茫漠・・・ただ広いだけで無駄な感じ。ぼやけていて不明瞭な感じ。「茫」は「果てしなく広いさま」「ぼんやりしたさま」をあらわす字。
堪らない・・・気持ちを抑えられない。気持ちを抑えられないくらい、素晴らしく素敵。なんともいえないほど素晴らしい。「仕事のあとのビールは堪らない」
・・・1.ネズミ科の哺乳動物の総称。人家の付近などに住む、敏捷な小動物。繁殖力が高く、食害や伝染病の原因となるため嫌われている。
2.鼠色(ねずみいろ)の略。
3.比喩として、こそこそと悪事を働く者、ひそかに害をなす者のたとえ。
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無限の薄闇に堕ちるような虚無
芝木 好子 / 隅田川暮色 amazon
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(情けない姿)泣き疲れた小さい男の子みたいな、しかもとても情けない様子に見えた
よしもとばなな / まぼろしハワイ「まぼろしハワイ」に収録 amazon
そのとたん激情に近い、哀切が胸にこみ上げてきた。
吉本ばなな / サンクチュアリ「うたかた/サンクチュアリ」に収録 amazon
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