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眼前に、黒々と聳え立つ岩の要塞があった。  いや、実際にはまだ遥か遠方にある。なのに圧倒的な岩の質感がそう見せる。視界のすべてを奪ってこちらに迫ってくる。上越国境の稜線が真一文字に宙を切り裂き、その上の空は圧縮されでもしたかのように狭い。壮観というのとは違う。威圧的だ。一ノ倉沢は人間を拒絶している。そうせんがために、確固たる意思を抱いた自然が巨大な城壁を築き上げた。そんな思いにとらわれる。
横山 秀夫「クライマーズ・ハイ (文春文庫)」に収録 ページ位置:2% 作品を確認(amazon)
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崖・谷・断崖絶壁
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前後の文章を含んだ引用
......、その瞬間の衝撃だけだ。 今日も同じだった。 道の真ん中を歩いていた燐太郎の体がふっと右に避けた。視界を開いてくれたのだ。悠木は息を呑み、その場に立ち竦んだ。 眼前に、黒々と聳え立つ岩の要塞があった。 いや、実際にはまだ遥か遠方にある。なのに圧倒的な岩の質感がそう見せる。視界のすべてを奪ってこちらに迫ってくる。上越国境の稜線が真一文字に宙を切り裂き、その上の空は圧縮されでもしたかのように狭い。壮観というのとは違う。威圧的だ。一ノ倉沢は人間を拒絶している。そうせんがために、確固たる意思を抱いた自然が巨大な城壁を築き上げた。そんな思いにとらわれる。 衝立岩は──その強大な城壁を護る門兵の位置にそそり立っている。痛々しいまでに鋭利な垂壁。「ハング」と呼ばれる垂れ幕のような形状の岩盤が幾重にも折り重なり、陰惨......
単語の意味
圧倒(あっとう)
圧倒的(あっとうてき)
眼前(がんぜん)
稜線(りょうせん)
壮観(そうかん)
上の空(うわのそら)
圧倒・・・ひときわ優れた力を持っていること。他よりとても勝っていること。また、その力で相手を押さえつけること。
圧倒的・・・他とは比べ物にならないほど優れていること。
眼前・・・目の前。その人が見ているすぐ目のところ。目前(もくぜん)。
稜線・・・連なった山を遠くから見たときの、ある山の頂上と隣の山の頂上を結ぶ、一番高い部分の線。尾根(おね)の線。
壮観・・・規模が大きく素晴らしい眺め。また、そのさま。偉観(いかん)。
上の空・・・1.天の上。空の上。天空。空中。そら。
2.他のことに心が奪われて、当面のことに注意が向かないこと。
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漏斗ろうと 状 の斜面の収束するところ
昇平, 大岡「野火(のび) (新潮文庫)」に収録 amazon
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