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頭の中は完全に混乱していた。様々なことが一気に脳の中で氾濫し、それを何一つ把握できていない状態だった。《…略…》両手で頭を抱えた。  ブレーカーが脳の中にあるのだとすれば、それがそろそろ落ちる頃ではないか。そうでなければ脳がパンクする。
伊坂 幸太郎 / ラッシュライフ ページ位置:78% 作品を確認(amazon)
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......信じられないのか佐々岡が、もう一度そう言った。 黒澤は歯を見せてから、「それにしてもだ、おまえが、『趣味の悪いサイドボードだ』と言った時にはまいった」 河原崎の頭の中は完全に混乱していた。様々なことが一気に脳の中で氾濫し、それを何一つ把握できていない状態だった。 足元にスケッチブックが転がっている。いつのまにか自分が立ち上がっていることに気がついた。赤いキャップを脱ぎ、床に置いている。 塚本が怯えた顔で座っていた。河原崎をどう扱うべきか決めかねていたのだろう。「河原崎くん、落ち着くんだ」と右手を挙げて制した。「塚本さん、説明して下さい」河原崎は死体を挟んで、塚本と向かい合っている。「な、何を説明すればいいんだ」「これは誰ですか?」声を張り上げた。「この切り刻まれた死体は、いったい誰なんですか?」「高橋さんだよ。決まっているだろう?」「これは違う!」河原崎は言い切った。あれは、「高橋」では決してない。その時点で河原崎は確信を持っていた。「あの方は背中に、首のあたりから傷があるんです。それがこの人にはまったくない。綺麗なくらいだ」「そんな傷はもとからない」塚本は後ずさりもできず、壁に寄りかかったまま、背中を精一杯後ろへくっつけながら、言った。「神であるはずの高橋さんに傷があったら、おかしいだろう?」「塚本さんにとって高橋さんは、神なのですか、そうではないのですか」「高橋さんは」そこまでは即座に答えたが、言葉が続かない。 塚本の視線が切断された死体に泳ぐ。同じように河原崎は死体を見た。六個の物体だ。「答えて下さい」 塚本の返事がなかなか返ってこない。 河原崎の頭の中で、次々と小さな破裂が起きている。ぱちんぱちんと音が鳴り、自分を支えているものが一つずつ壊れていく。河原崎は両手で頭を抱えた。 ブレーカーが脳の中にあるのだとすれば、それがそろそろ落ちる頃ではないか。そうでなければ脳がパンクする。そう思い、恐くなる。 落ちている鋸をつかんでいた。 それからゆっくりと、死体と溜まった血を避けて、塚本の座っているところまで歩いていく。「塚本さん、本当のことを......
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