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呆然として、もうなにも言えなかった。目に映るものがすべて、巨大なポスターに印刷された写真のように厚みをなくした。音も消え、暑さもわからない。 気がつくと、僕はふらふらとした足取りで歩きだしていた。「カズ、どこ行くんな」というチュウさんの声が、耳には確かに入っているのに、頭には届かない。 「カズ、ちょっと待て、こら」 体の重みが腰に伝わらない。地面を踏みしめる感触がない。
重松 清「流星ワゴン (講談社文庫)」に収録 ページ位置:17% 作品を確認(amazon)
この表現が分類されたカテゴリ
絶望・希望がない
(心理的に)衝撃を受ける
呆れる・驚きで呆然
感覚が麻痺する
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前後の文章を含んだ引用
......会うことになって……だから、私、名前も知らないし、なにも知らないんです、ほんとです……勘弁してください、お金ですか、出します、出しますから、会社や家には……」 呆然として、もうなにも言えなかった。目に映るものがすべて、巨大なポスターに印刷された写真のように厚みをなくした。音も消え、暑さもわからない。 気がつくと、僕はふらふらとした足取りで歩きだしていた。「カズ、どこ行くんな」というチュウさんの声が、耳には確かに入っているのに、頭には届かない。「カズ、ちょっと待て、こら」 体の重みが腰に伝わらない。地面を踏みしめる感触がない。「逃がしてええんか? おい、カズ、聞いとるんか?」 大通りに出た。新宿駅前のスクランブル交差点を渡った。駅ビルに入った。オレンジカードでJRの切符を買った。山手......
単語の意味
体(からだ)
腰(こし)
足取り(あしどり)
体・・・頭・胴・手足など、肉体全体をまとめていう言葉。頭からつま先までの肉体の全部。身体。体躯。五体。健康。体力。
腰・・・1.胴体の下の方の部分で、上体と下肢(かし)をつなぐ部分。座る姿勢をとったとき、骨盤あたりの折り曲がる部分を漠然という。ウエスト。
2.衣服やはかまの腰にあたる部分。
3.あらゆる物の、腰に相当する部分。中ほどより少し下の部分。
4.紙や布などの、しなやかで破れにくい性質。
5.餅(もち)や粉などの、粘りや弾力。
6.刀や袴など、腰につけるものを数えるときの単位。「刀ひと腰」「袴ひと腰」
7.何かをする際の姿勢や構え。「及び腰」「けんか腰」など。
2.衣服やはかまの腰にあたる部分。
3.あらゆる物の、腰に相当する部分。中ほどより少し下の部分。
4.紙や布などの、しなやかで破れにくい性質。
5.餅(もち)や粉などの、粘りや弾力。
6.刀や袴など、腰につけるものを数えるときの単位。「刀ひと腰」「袴ひと腰」
7.何かをする際の姿勢や構え。「及び腰」「けんか腰」など。
足取り・・・1.歩くときの足の運び方。足つき。歩調。足で取る(=執る。事を行う)こと。「事務をとる」「指揮をとる」など。
2.その人の歩いた道筋。特に、犯罪者の逃走経路。足を取る(=自分のものにする。把握する)こと。「裏づけをとる」など。
3 過去の相場の動きぐあい。足(=相場の動きぐあい)を取ること。
2.その人の歩いた道筋。特に、犯罪者の逃走経路。足を取る(=自分のものにする。把握する)こと。「裏づけをとる」など。
3 過去の相場の動きぐあい。足(=相場の動きぐあい)を取ること。
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絶望・希望がないの表現・描写・類語(悲しみのカテゴリ)の一覧 ランダム5
地底に吸いこまれて行くような絶望感
田宮 虎彦 / 荒海 amazon
(死にたいと思いながら生きる)木の枝に張りついた虫の抜け殻のように、少し強い風が吹いたらどこかに永遠に飛ばされてしまいそうな状態で、辛うじてこの世界にしがみついて生きてきた
村上 春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年 amazon
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(心理的に)衝撃を受けるの表現・描写・類語(驚きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
さらなる衝撃が、脳裏を突き抜けた。
翔田 寛「真犯人 (小学館文庫)」に収録 amazon
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呆れる・驚きで呆然の表現・描写・類語(驚きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
呆れ果てて二の句をつぐことさえ忘れる
芥川 竜之介 / 邪宗門 amazon
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感覚が麻痺するの表現・描写・類語(驚きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
君の頭がしびれて行くのか、世界がしびれて行くのか、ほんとうにわからなかった。恐ろしい境界に臨んでいるのだと幾度も自分を警 めながら、君は平気な気持ちでとてつもないのんきな事を考えたりしていた。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
波の音も星のまたたきも、夢の中の出来事のように、君の知覚の遠い遠い末梢 に、感ぜられるともなく感ぜられるばかりだった。すべての現象がてんでんばらばらに互いの連絡なく散らばってしまった。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
不思議なしびれはどんどん深まって行く。波の音なども少しずつかすかになって、耳にはいったりはいらなかったりする。
有島武郎 / 生まれいずる悩み
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「声」の言葉を含む驚きの表現・描写・類語(驚きのカテゴリ)の一覧 ランダム5
目の前で沙里が喋り続けているのだが、その声が聞こえない。みんなが口々に何か言っているのだが、まるでみんな溺れているように、その口がパクパクと動いているだけにしか見えない。
吉田修一「悪人」に収録 amazon
『えっ⁉』 妹の声がひっくりかえり、しゃっくりのような声が聞こえてきた
村田 沙耶香「コンビニ人間」に収録 amazon
「……アッ……」 と私は驚きの声を呑んだ。額 を押えつつ、よろよろとうしろに、よろめいた
夢野久作 / ドグラ・マグラ
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「悲しみ」カテゴリからランダム5
〝かわいそう〟という言葉は嫌われがちだ。私たちの心には、この言葉に該当する感情が確実にあるのに、なかなか使いたがらないし、使われることも嫌う。
綿矢 りさ / かわいそうだね?「かわいそうだね? (文春文庫)」に収録 amazon
萎れた花のように首を垂れる
大仏 次郎 / 冬の紳士 amazon
「気分が晴れない・落ち込む」カテゴリからランダム5
「驚き」カテゴリからランダム5
焼けた鉄板でも踏んづけたようにハネ上った。
小林多喜二 / 蟹工船
穏やかであったミス・プラットは、その時思わず伸子が目をそらしたほど、驚愕の色を現した。
宮本百合子 / 伸子
「感動」カテゴリからランダム5
女のかすかな溜息だった。近かった。やはり、息をひそめていたのだ。柔らかい吐息だった。
山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」に収録 amazon
最後の、同じ船に乗り合わせて、流れて行くという言葉が、震えつづけている体の奥に 沁み込んで来た
宮本 輝「道頓堀川(新潮文庫)」に収録 amazon
(コンサートの)録音された拍手を長く聞いていると、そのうちに拍手に聞こえなくなる。終わりのない火星の砂嵐に耳を澄ませているみたいな気持ちになる。
村上 春樹 / 1Q84 BOOK 1 amazon
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