糊で貼りつけたばかりのような、口髭が浮いていた。《…略…》安っぽい威厳を撒き散らした、けれど決して深みの感じられない
伊坂 幸太郎 / グラスホッパー ページ位置:39% 作品を確認(amazon)
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口ひげ
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前後の文章を含んだ引用
......途端、ロシア青年の屈託に満ちた世界が広がりはじめる。「よく来たな」と声がしたのは、十分ほどしてからだった。小柄な男が立っていた。白髪頭で、眉間に皺を刻んでいる。糊で貼りつけたばかりのような、口髭が浮いていた。テレビで見かけるのと同じだった。安っぽい威厳を撒き散らした、けれど決して深みの感じられない、男だ。鯨は文庫本を閉じ、コートにしまい込んだ。「昨日の今日で、また仕事の依頼なのか」と言う。「部屋に移動しよう。こんな人目のあるところで、おまえと話をしている......
単語の意味
口髭(くちひげ)
口髭・・・上唇(うわくちびる)のすぐ上、鼻の下に生やしたひげ。
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天神様のような髯
夏目漱石 / 吾輩は猫である
(六本木のビストロ・ムスタッシュ)主人は、店名そのものの口ひげを生やし、
池波 正太郎「食卓の情景 (新潮文庫)」に収録 amazon
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頬や顎にはまばらな無精髭が、古くなったブラシのように、一本ずつ数えられるほどまばらに、きらきらと銀色に光っていた。
山本 周五郎 / 青べか物語 amazon
機敏も度胸も、一切合財(いっさいがっさい)そのかげに蔵(しま)いこんでるような、艶々しい漆黒の口髭
徳永 直 / 太陽のない街 amazon
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